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歪む
「歪む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歪むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
のが私を大変不愉快にした。それから或る無頭児の罎詰の前迄行くと、令嬢の顔が不意に
歪むのを私は早くも発見した。 「畜生! この女は低能児をはらむ恐ろしさを又しても....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ゃべった。そのうち解けたような、また一物あるような腹がまえと、しゃべるたびごとに
歪む口つきとが、僕にはどうも気になって、吉弥はあんな母親の拵えた子かと、またまた....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
うな眼を持ったカンカン寅がヒョックリ顔を出す。とたんに仙太の顔がキューッと苦悶に
歪む。カンカン寅の唇に、薄笑いが浮かんで、手に持ったピストルからスーッと白煙が匍....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
る木箱の方へ眼を伏せた。 幹太郎は、小山の下顎骨の落ちこんだ口元が、苦るしげに
歪むのを見た。紅は、なお気がかりらしく、今度は恐る恐る、上目遣いに職長の方を見た....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
いのちがござらぬぞ」
五
哮《たけ》り狂う長崎屋の形相は、いよいよ物すごく
歪むばかりだ。
「いえいえ浜川さん、おはなし下さい。わしはもう、腹にも、肝にも据....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ていてはきりがないので、伸子は、 「――じゃあ……」 と云った。多計代の顔に、引
歪むような苦しげな表情があらわれた。それを見ると、伸子は自分も胸板を剥がれるよう....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
に性根がないのだ。 ウォツカの雫で濡れ放題のカウンターを、その団扇みたいな手で
歪むほど打ちのめすと、尻尾を踏んづけられた狼のような唸り声をたてて、蹴倒した木椅....
「一九四六年の文壇」より 著者:宮本百合子
学確立の過程は、非常に錯雑しており困難しております。日本において民主化の諸問題が
歪むのには、すこぶる深刻な後進的、半封建的条件が作用しているわけですが、それがま....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
。ええ。 画家。坐っていて居眠なんぞは出来ないのだぜ。居眠りなんぞをすると花輪が
歪むからな。 モデル。居眠なんかしませんわ。 画家。折角そうしてくれても、翌日に....
「対話」より 著者:宮本百合子
た。 ヴィンダー や。忽ちあの五十層の建物が、木葉微塵にとび散ったぞ。優雅な塔が
歪む。……ほら倒れる。千、万のぼろ家は、ぐっしゃり一潰れだ。堂宇も宮も、さっさと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しでも解放してやりたいこと。妹に真の自立性というものを教えて、勝気のために却って
歪む自尊心の負傷を少くしてやりたいこと。咲が自分の亭主に対してもう少し正しい健康....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。沈潜を、正当な発育の方向に向ってやって行かず、(外部の歪ませる条件と自分の内の
歪むまいとする希望、にもかかわらず歪みに吸いよせられる条件として|ある《存》もの....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
たくなきゃア、こっちの手でお好みの型に歪ませてやるから、そう思えよ。それとも面の
歪むのがいやなら、風通しの悪いその脳味噌に、風穴を一つあけてやろうか」 拳銃を....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
誰やらの寐台にようよう取縋った。とまたもこの時振下したニキタの第二の鉄拳、背骨も
歪むかと悶ゆる暇もなく打続て、またまた三|度目の鉄拳。 イワン、デミトリチはこ....
「立春の卵」より 著者:中谷宇吉郎
のせた場合には、平面の接点附近がその圧力のために少し歪み、球の接点附近もまた少し
歪む。そして極めて小さい円形の面積で球の底と板とが接し、その面積で球の目方をささ....