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歯の根が合わない
「歯の根が合わない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歯の根が合わないの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
へ寄りながら、目を瞠《みは》って訊《き》いた。 「蔦が……蔦が……」 紀久子は
歯の根が合わないまでに、顫えていた。 「旦那を殺したのは蔦だってこと、はっきりと....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
けあって、うまく人相を見る。 「御前の方がどうかしたんだろう。先《さ》ッきは少し
歯の根が合わないようだったぜ」 「私は何と旦那様から冷かされても構いません。――....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て若先生」 「いやか――」 竜之助から圧迫されて、 「だって若先生」 与八は
歯の根が合わない。 「俺《おれ》をお斬りなさる気かえ」 「いやか――」 「行きま....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
拭くと、そこそこに膳に向った。寒さで好い加減冷えている彼は、冷たい飯を食べると、
歯の根が合わないほどになった。頭の下の方が、強直して来るような気さえして、ボッと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
といって語る人が、おのずから言葉がふさがって、顔色があおざめ、くちびるがふるえ、
歯の根が合わないものですから、委細を知らない人たちまでがゾッとして、水を浴びせら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まだこの通り夜も暗いのに、どこへ急ぐのだ」 「はい、はい……」 駕籠屋は早くも
歯の根が合わないようです。 「怪しい乗物と認めたぞ」 「いいえ、どういたしまして....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
(あ痛、痛。) はっと擦寄ると、あの人がぶるぶる震えて、 (胸が。)と云う、
歯の根が合わない。 (冷えたんです。) と言いながら、私もわなわなし出した。」....
「冒した者」より 著者:三好十郎
ふるえている) 須永 ……あぶないですよ、あの―― 若宮 あぶ、あぶ、あぶ……(
歯の根が合わない。刀を須永に向って突き出したまま、眼は裂けんばかりに見開いている....