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歯を噛む
「歯を噛む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歯を噛むの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
《は》ねかして倒れてゆく侍――
「雪、さすがだな――」
平馬は、それと見て、奥
歯を噛むようにして、うめいて、
「生意気な!」
彼は、雪之丞が、剣を使わず、拳....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
畝くる。眉が薄く、鼻がひしゃげて、ソレその唇の厚い事、おまけに頬骨がギシと出て、
歯を噛むとガチガチと鳴りそう。左の一眼べとりと盲い、右が白眼で、ぐるりと飜った、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
聞くとお銀様はブルブルと身を慄わせ、 「幸内の敵《かたき》」 思わずこう言って
歯を噛むと、 「ナニ、幸内の敵がどうした、たかが馬を引張る雇人の命、この神尾が手....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
れでは厭だと云うのかい?」 お菊はキリリと眉を上げた。 「…………」 忠蔵は
歯を噛むばかりである。 「およしよ」と一句冷やかに、お菊は障子を締め切った。 「....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は、いちじるしく痙攣を起こしているし、薄手の受け口めいた唇の武士は、ガチガチと奥
歯を噛むようにした。と、富士型をした額を持った武士が、にわかにヨロヨロと立ち上が....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
んです。」 店の間では、商売物の菜っ葉服を叔父さんが縫っているらしい、ジ……と
歯を噛むようなミシンの音がする。 「六拾円もあれば、二人で結構暮せると思うんです....