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「歯入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歯入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》がましいこと申して、なんのことかッ。通り名は平助、あだ名は下駄平《げたへい》、歯入れ、鼻緒のすげ替えを稼業《かぎょう》にいたしおるとこの調べ書にあるが、ほんと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には死なれ、娘は奉公に出ているので、次右衛門は当時ひとり者である。その裏に下駄の歯入れが住んでいて、その婆さんのお酉《とり》というのが朝晩の手伝いに来ていたと、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
と洗ったので、小芳が刷毛を持って、颯とお化粧を直すと、お蔦がぐい、と櫛を拭いて一歯入れる。 苦労人が二人がかりで、妙子は品のいい処へ粋になって、またあるまじき....
田舎教師」より 著者:田山花袋
人はえらくなるがいい。世の中には百姓もあれば、郵便脚夫もある。巡査もあれば下駄の歯入れ屋もある。えらくならんから生きていられないということはない。人生はわれわれ....
朝の風」より 著者:宮本百合子
と友子は暫くそういう光景を見物していた。ふと気がつくと、その往来の向う側に下駄の歯入れやだの古俵屋だのの並んだ前からこっちを見物している男女があった。そんなにひ....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
そして、村端れの小さい小屋に住むことになった。 もう畑もないしするので、下駄の歯入れや、羅宇《ラオ》のすげかえをして稼ぐほかない。先よりなお貧乏しなければなら....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
木を載せて、いずれの太夫が用いすてたのやら、糸も切れ切れの古鼓を鳴らして、下駄の歯入れをなりわいに呼び歩く四十なにがしという爺さんがあった。この爺身にまとう衣服....
文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」より 著者:夏目漱石
若し、文学者の職業を男子一生の事業とするに足ると云うならば、大工も豆腐屋も下駄の歯入れ屋も男子一生の事業とするに足ると言っても差支《さしつか》えない。 けれ共....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
まごまとした中を、同じ場末の、麻布田島町へ続く、炭団を干した薪屋の露地で、下駄の歯入れがコツコツと行るのを見ながら、二三人共同栓に集った、かみさん一人、これを聞....
丹下左膳」より 著者:林不忘
遠くの宿場へ飲代《のみしろ》に売りとばしてしまった。 その他、しじみ屋、下駄の歯入れ、灰買い、あんま師、衣紋竹《えもんだけ》売り、説経祭文《せっきょうさいもん....
落合町山川記」より 著者:林芙美子
前は二軒長屋の平屋《ひらや》で、砲兵工廠《ほうへいこうしょう》に勤める人と下駄の歯入れをする人、隣家は宝石類の錺屋《かざりや》さんで、三軒とも子供が三、四人ずつ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
おもに取仕切ってやもんですから、あんさん、それは酷いぞね――半月おきには、下駄の歯入れや、使いまわしも激しいし……それさえ内へ強請りに来るがね。(母さん十日お湯....