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「歯列〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歯列の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、そのときは……」 酒を呑んでいるらしい羽織袴の代書人といったような男が、汚い歯列を見せて、ニヤニヤと笑った。 「皆さん。静粛にして下さい。さもないと、出てい....
蠅男」より 著者:海野十三
いで総入歯の人間もあるからネ。現にアメリカでは二十歳になるかならずの映画女優で、歯列びをよく見せるため総入歯にしているのが沢山ある」 「その入歯を作った歯医者を....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
長きや否や、犬歯の俗称鬼歯と称するものなりや否や。 下顎、犬歯は噛合するとき上顎歯列の前に出ずるや、及び智歯の存否。 以上 裁縫女学校長田辺氏に命ぜられた鑑定....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
運ぶ、そうして筆の穂先を右へ左へ毎秒一往復ぐらいの週期で動かしながらまんべんなく歯列の前面を摩擦するのである。何分間ぐらいつづけていたかはっきりした記憶はないが....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
に無理ならぬことであった。 ひとりで部屋のうちに籠っていれば、疳にうち顫う皓い歯列は、いつしか唇を噛み破って真赤な血に染み、軟かな頭髪は指先で激しぐかき※られ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。彼の生き生きした赤味を帯びた顔色や、笑うたびにほの見えるまだそろってる真っ白な歯列《はなみ》などは、彼に打ちあけた気安い風格を与えていて、若い人についてなら「....
魔都」より 著者:久生十蘭
。ああ、その顔! 右の耳の下から唇の端まで斬り裂かれた傷が、アングリと口を開け、歯列がゾロリと奥歯のへんまで白く剥き出されている。右の眼玉は抉り取られ、空洞にな....
だいこん」より 著者:久生十蘭
づかいをしながらランチを寄せて行く。 舷梯をあがり切ったところに、色の浅黒い、歯列のきれいな、眼の大きな士官が立っていて、ニコニコ笑いながらあたしに敬礼した。....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
って、この私の欲眼で見たって、――いや、止そう。私だってちょっとも綺麗じゃない。歯列を矯正したら、まだいくらか見られる、――いいえ、どっちみち私は醜女、しこめで....