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「歯型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歯型の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
かく二重にして縫ってから、ペトローヴィッチは縫目という縫目に自分の口でさまざまの歯型を刻みつけながら、緊め固めたほどであるから。それは……いつの幾日であったか、....
世相」より 著者:織田作之助
をキリキリと噛みはじめた。痛いッと引抜いて、 「見ろ、血がにじんでるぞ。こらッ、歯型も入れたな」 そう怒りながら、しかしだらしない声を出して少しはやに下り気味....
少女地獄」より 著者:夢野久作
の花簪と共に市内 天主教会にて発見さる 前廂に残る疑問の歯型 県立高等女学校は既報の如く、去る三月二十六日の怪火以来、ミス黒焦、校長の....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
通りかかった女中が吃驚したらしく襖を開けたが、木乃伊親爺の二の腕に付いてる濡れた歯型を見ると、呆気に取られたまま突立っていた。 親爺は急いで肌を入れた上から二....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
。自分は、まだ一口も、やりません」 「それは、ほんとか。ほら見ろ。ここのところに歯型がついている。お前が、かじらなければ、誰が、ここのところを、かじったんだ」 ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
。 記代子は一部始終を見つめていたが、 「指みせて。どんなになった?」 青い歯型がハッキリついて、血のにじんだところもあった。 「痛かった?」 「うん」 「....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
る日思いがけなく人間の歯の痕跡の付いた象牙の骰子の半分割れが出て参りました」 「歯型の付いた骰子の片割れ……ふうむ」 「さようで……それを見ますと私は他所事なが....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
か」 又八は、自分も蒼白になって肩で息をつきながらいった。 「血は止まっても、歯型の痣は何年も消えることじゃねえ。おれの、その歯の痕を、人が見たら何と思う? ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
それは鎌倉中の人々に嘲われた日の記念だった。執権高時の愛犬“犬神”に咬まれた黒い歯型の痣なのである。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。過ぐる年の闘犬興行でも、大勢の中で、高時の愛犬に咬みつかれ、手くびに消えぬ犬の歯型をのこしたことを、当時、いたく恨んでいたそうな」 「でも、赤橋殿の妹君を娶え....
鮎を食う」より 著者:北大路魯山人
ために、生から死への衰えをみせないからだと説明すべきだ。鵜に呑ませた鮎には、鵜の歯型がついていて感じはよくないが、味に至っては、たしかに岐阜の人たちの自慢すると....