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「歯牙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歯牙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ていったんですよ」 「いかにもな。ちっとくせえかな」 相手が余人ならばおそらく歯牙《しが》にもかけなかったことでしょうが、どうかして一度抜けがけの功名をしてや....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いうえに、週給五百ドルをもらう折竹のことであるから、たかが、千ドルや二千ドルなら歯牙にかけるにも当らない。よろしいと、彼はカムポスの申出でを、きっぱりと引きうけ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
それには智的生活にあっては奨励的にそうするのが便利だからだ。そんな人はそんな事は歯牙にかけるに足らないことのように云いもし思いもしながら、衷心の満ち足らなさから....
食魔」より 著者:岡本かの子
の芸術家だけに旧臭く否味なことをいう。道徳かぶれの女学生でもいいそうな芸術批評。歯牙に懸けるには足りない。 鼈四郎はこう思って来ると夫妻の権威は眼中に無くなっ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
女はそういいながら、うっかりしたことを云い過ぎたと、むす子の顔をみると、むす子は歯牙にかけず、晴々と笑っていて、「いいものを見せましょうか」と、台所から一挺日本....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
は可笑しかった。 「二人で寵を争っているな。アッハッハッハッ莫迦な話だ」 で、歯牙にも懸けなかった。 春が逝って初夏が来た。花菖蒲の咲く頃になった。庄内川に....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
じを与えたか何様《どう》か、有らずもがなの事だった。然し勿論そんな些事《さじ》を歯牙《しが》に掛ける秀吉では無い。秀吉が氏郷を遇するに別に何も有った訳では無い、....
風流仏」より 著者:幸田露伴
って小石の面はまだ乾かぬに、空さりげなく澄める月の影宿す清水に、瓜浸して食いつゝ歯牙香と詩人の洒落る川原の夕涼み快きをも余所になし、徒らに垣をからみし夕顔の暮れ....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
対峙も全く久しいものだ。 だが奇賊烏啼天駆にいわせると、袋猫々なる迷探偵などは歯牙にもかけていないそうで、袋めは奇賊烏啼を捕えて絞首台へ送ってみせると日頃から....
地獄の使者」より 著者:海野十三
プに一杯持ってくるようにお命じになった」 「ああ、そんなことですか」と、亀之介は歯牙にもかけないような顔をしたが、しかし彼の語調に狼狽の響きがあった。「ひどく酔....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ンよりも、そうすることが愉しかったからである。 私というものは、金龍にとっては歯牙にもかけておらぬ奴隷にすぎず、踏んだり蹴ったり、ポイとつまんでゴミのように捨....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
「なんの方角だえ?」 と花廼屋が虎之介の心眼に挑戦するが、虎之介はこんな小者は歯牙にもかけない様子。 「犯人が手裏剣をうった方角だ。田舎通人には分るまいが、犯....
俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
取入れるという一つの態度ね、そのために少しはくさいなんて言われても、そんなことは歯牙にかけないで、敢然として自分の好むところを行つてさ、それで、一代の仕事を完成....
夜の構図」より 著者:織田作之助
な人物であることは、明白である。人格的に落第点だ。社会から抹殺してもいい人物だ。歯牙にかけるに足らぬ男、いわば取るに足らぬ男だ。 このような男が、これから誘惑....
天を怖れよ」より 著者:小川未明
動物の報復について考えを要せぬからであります。それ故に、僅かに、神の与えた聡明と歯牙に頼るより他は、何等の武器をも有しない、すべての動物に対して、人間の横暴は極....