歳の市[語句情報] » 歳の市

「歳の市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歳の市の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
せぬ。あなたに対する誠意の変らぬことを、若《も》し出来れば信じて下さい。窓の下、歳の市の売り出しにて、笑いさざめきが、ここまで聞えてまいります。おからだ御大事に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て飲み干した。南に日をうけた暖い座敷で真昼に酒をのみ過したので、半七の顔も手足も歳の市《まち》で売る飾りの海老《えび》のように真っ紅になった。 「どうです。渋っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
二 あくる二十八日の朝は空《から》っ風《かぜ》が吹いた。薬研堀《やげんぼり》の歳の市《いち》は寒かろうと噂をしながら、半七は格子の外に立って、町内の仕事師が門....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
も露店がいっぱいに列ぶこと、今日の歳末と同様である。尾張町の角や、京橋の際には、歳の市商人の小屋も掛けられ、その他の角々にも紙鳶や羽子板などを売る店も出た。この....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
津、清元、歌沢 お会式 菊と紅葉 酉の市 鍋焼饂飩と稲荷鮨 からッ風 納豆と朝湯歳の市 大晦日 見附と御門 江戸芸者と踊子 人情本と浮世絵 見番と箱屋と継ぎ棹 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
御用に毎日追われていると、押し詰った師走ももう十日あまりを過ぎて、いよいよ深川の歳の市というその前夜であった。半七は明神下の妹をたずねてゆくと、その町内の角でか....
先生への通信」より 著者:寺田寅彦
かの大混雑で、やっとの事で出て来ました。 降誕祭前一週間ほど、市役所前の広場に歳の市が立って、安物のおもちゃや駄菓子などの露店が並びましたが、いつ行って見ても....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
それにつれて足を止めました。 見れば、お梅は羽子板屋の前に立っている。 まだ歳の市という時節でもないのに、この店では、もう盛んに羽子板を陳列している。江戸ッ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
びた心境のなかに日向《ひなた》の町を歩いているだけで、言いかえれば、この、浅草の歳の市をひやかしてゆく、でっぷりとふとった上品なお侍は、南町の名奉行大岡越前守忠....
五月の唯物観」より 著者:寺田寅彦
したのであったが、後にまたウィーンの歳の暮に寺の広場で門松によく似た樅の枝を売る歳の市の光景を見て、同じような空想を逞しゅうしたこともあった。こんな習俗ももとは....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
それから、もう一つ、歳の市をやったことがあります。 歳の市の売り物は正月用意のものです。父の売った....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
の山も見えたというので、戦時とはいいながら歳末の東京市中は例年以上の賑わしさで、歳の市の売物も「負けた、負けた」といっては買手がないので、いずれも「勝った、買っ....
」より 著者:カフカフランツ
で、任意の一人の男の運勢を山のようなおみくじのなかからついばんで引き出すために、歳の市でカナリヤを使うぐらいにしか頭を使わないで、手あたり次第に引き抜かれた手紙....
断食芸人」より 著者:カフカフランツ
は何をやったらいいのだろうか。何千という観客の歓声に取り巻かれていた者が、けちな歳の市にかかる見世物小屋へ現われるわけにはいかない。ほかの職業につくためには、断....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
っている。ボストンでは、われわれが行く一週間ほど前に、市長選挙が行われて、三十二歳の市の一書記が一躍市長に選挙された。それで決議機関である市会と市長側とうまく行....