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「歳時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歳時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
姿でもある。 しかも、女神の慧《さと》さと敏感さは年経る毎に加わるらしく、天象歳時の変異を逸早く丘麓の住民たちに予知さすことに長けて来た。従来、ただ天気の変り....
運命」より 著者:幸田露伴
たば、藩王の権は、削らずして弱からん。臣又願わくは陛下|益々親親の礼を隆んにし、歳時伏臘、使問絶えず、賢者は詔を下して褒賞し、不法者は初犯は之を宥し、再犯は之を....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
その和歌を左に掲げておく。 行路荻 (八十七歳時代) 夕附日荻のはこしにかたむきて ふく風さむしのべのかよひ路 ....
書斎」より 著者:辻潤
さも立派な趣味ででもあるかの如く心得て暮らしている人間なのです。 昔、私が二十歳時分の頃、小学校の代用教員に雇われて月給十五円也を頂戴している頃のこと、女の先....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
人の常食に現われた特性と思われるのは、食物の季節性という点に関してであろう。俳諧歳時記を繰ってみてもわかるように季節に応ずる食用の野菜魚貝の年週期的循環がそれだ....
小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
思っている。 「簑虫鳴く」という俳句の季題があるのを思い出したから、調べついでに歳時記をあけてみると清少納言の『枕草紙』からとして次のような話が引いてある。「簑....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
つのかたまりにするのはもとより何も珍らしい事ではないが、今は秋の暮で、この特別の歳時記が行われたのは、辮子を巻込んだ連中に取っては非常な英断と言わなければならな....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
僕は久しい間、ずっと蛇笏を忘れていた。 その内に僕も作句をはじめた。すると或時歳時記の中に「死病得て爪美しき火桶かな」と云う蛇笏の句を発見した。この句は蛇笏に....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
の一つである。而も其間に朝昼夕と三度まで、米を供えて日を拝むとある。(柳田先生、歳時習俗|語彙)又おなじ語彙に、丹波中郡で社日参りというのは、此日早天に東方に当....
小説 円朝」より 著者:正岡容
し申し上げなければ。そこまで事態は切迫していた。そうした目狂おしいばかりの非常時歳時記の真っ只中で、どの芝居へも、どの寄席へも、恐しいほどよくお客がきていた。 ....
清心庵」より 著者:泉鏡花
を※りぬ。 六 「いいえ、手を懸けたというんじゃあない。私はまだ九歳時分のことだから、どんなだか、くわしい訳は知らないけれど、母様は、お前、何か心....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
が国のことを記した漢書の地理志には、「楽浪海中に倭人あり。分かれて百余国となる。歳時をもって来献すと云ふ」とある。漢の武帝が朝鮮を征して、楽浪郡以下の四郡を置く....
胡瓜」より 著者:北大路魯山人
今日では温室栽培の向上によって、くだもの、野菜など季節がなくなってしまった。早晩、俳諧歳時記など書き改めねばならなくなりそうだ。とはいっても、やはり旬のものに越したこ....
深川の唄」より 著者:永井荷風
の娘はどうしたか知ら。一時|跡方《あとかた》もなく消失《きえう》せてしまった二十歳時分《はたちじぶん》の記憶を呼び返そうと、自分はきょろきょろしながら歩く。 ....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
たのでありますが、季題はまだこのほかにいくらでもあるのであります。それは季寄なり歳時記なりをごらんになったらすぐ判ります。 切字の一例としては「や」「かな」「....