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「歳末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歳末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
を当てに、どういう金でそれを新調したものだろう? もちろん、一部分は近々に貰える歳末賞与をそれに当てることもできるはずだが、しかし、その金はもうとっくから、前も....
冬の日」より 著者:梶井基次郎
たかし》は自分の静かな町から銀座へ出かけて行った。そこでは華ばなしいクリスマスや歳末の売出しがはじまっていた。 友達か恋人か家族か、舗道の人はそのほとんどが連....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う起きていたが、今度はあいにく来客である。わたしは又もやむなしく帰った。わたしも歳末は忙がしいので、冬至《とうじ》の朝、門口《かどぐち》から歳暮の品を差し置いて....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
一回もこなかった。わが航空隊がサイパンへなぐり込みをかけた故か。それとも敵の方で歳末新年は生活に忙しいせいか。 私は壕に寝て、暁を迎えた。壕に寝るは寒く、身体....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
から四十余年前の銀座である。その記憶を一々ならべ立ててもいられないから、ここでは歳末年始の風景その他を語ることにする。 由来、銀座の大通りに夜店の出るのは、夏....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
買いたく思う。籠居してモデルを描く日多し。 十二月、モデル、画室へ現る日多し。歳末の都会風景、趣多し。神戸と大阪のバーゲンセールなど漁りあるき五〇銭のネクタイ....
偶然の産んだ駄洒落」より 著者:九鬼周造
の訳者である天野君はアナゴは知っていたがアマゴを知らなかったのである。 今年の歳末にその天野君と落合太郎君と私とで寒い晩に四条通の喫茶店へ茶を飲みに行ったこと....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
ゅうの見せ場となっていたが、他はいたずらに筋を運ぶのみで劇的の場面が少なく、時は歳末といい、俳優も中流であったので、かたがた不評の不入りに終わった。 その翌年....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
あるということを、お得意に知ってもらわなくてはならぬと思い、そこで思いついたのが歳末の賃餅であった。上等の餅を勉強して売り出せば、それが機縁になって日本菓子のお....
月日の話」より 著者:坂口安吾
歳末にコヨミをもらってページをくりつゝ新しい年を考える。 今月の歴史というとこ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
げまゐらせ候。左様に候へば、此御まな料、まことに麁末の御事におはしまし候へども、歳末の御祝儀申上まゐらせ候しるしまでにさし上まゐらせ候。なほ幾久しくまん/\年ま....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
と第四幕を書くことに決めて、ともかくも大急ぎで全部を纏めてしまった。それは前年の歳末のことで、その本読みの時にわたしたちは立会わなかったが、脚本を歌舞伎座へ渡し....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
で打過ぎるのも何だか心苦しいので、震災後まだほんとうに一身一家の安定を得ないので歳末年始の礼を欠くことを葉書にしたためて、年内に発送することにした。その外には、....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
で東京祝捷会が盛大に挙行され、もう戦争の山も見えたというので、戦時とはいいながら歳末の東京市中は例年以上の賑わしさで、歳の市の売物も「負けた、負けた」といっては....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
下男、出入、小作の者には多少の金を与え、近隣の貧民にも多少の愛を施す等、またわが歳末のごとし。地方の停車場などには当日に限り、「天下泰平、武運長久、鉄道会社千秋....