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死なす
「死なす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死なすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時間」より 著者:横光利一
つの間にか私の前で皆が眠り出すと私は両手で所かまわず殴りつけているのである。人を
死なすまいと努力すること――この有害なことが何故に人々にとって有益なのであろうか....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
のと見えて、真蒼な顔をしていました。 「あなた、笛吹川さんが此処へいらしって、頓
死なすったんですって? 本当ですか」 「嘘にも本当にも、先生あすこに眠っているよ....
「蠅男」より 著者:海野十三
正は、予(ドクトルのこと)の願いを入れて死刑囚を一旦処刑後引渡すから後はそのまま
死なすなり生かすなり思うようにしろと云ってくれたこと、但しこれが他に知れると由々....
「阿宝」より 著者:田中貢太郎
と人が来て、孫部曹の妻がじきにまいりますと言った、で、王は記録を見て、これはまだ
死なす者じゃないと言うと、三日も食べずにおりますからと言った、そこで王は僕の方を....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
ていた。 「どうしたら死ねる?」 天井や戸や窓を見まわした。けれども、人一人を
死なすには、それ等はあまり扁平な形すぎる。終に彼女は自分の体までしらべ始めた。 ....
「誰のために」より 著者:宮本百合子
ないというとき、和製のペニシリンはよくきかないからと云って、それを使わずに良人を
死なす妻が天下にあるだろうか。日本の解放運動が様々の歴史的負担のもとに未熟であっ....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
を、権力の命のままに生命をすてさせるについて一種の精神的抵抗と感じた。それ故に、
死なすという単一な軍事目的のためには嫡出子も私生子も区別はないという根拠から私生....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
に別条はないでしょう。 画家。(真面目に。)そうさ。しかしある意味においては人を
死なすかも知れません。(間。)おっ母さんには、今からマルリンクの処へ呼ばれて行く....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
句がある。 ○ 人も無き古りにし郷にある人を愍くや君が恋に
死なする 〔巻十一・二五六〇〕 作者不詳 作者不明であるが、旧都にでもなったと....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ることも、できますまいからな、ははははは」
「そうじゃ。きまって柳生の金魚ばかり
死なすわけにも――あっはっは」
愚楽老人が、全身をゆすぶって笑った時、庭の奥か....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
」
「誰のこと、それは誰のことなの?」とリーズが叫んだ、「母さんはきっとあたしを
死なす気なんだわ。あたしがいくら尋ねたって、返事一つしてくださらないんですもの」....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
「ふふん、俺の講釈みたいに、少し与太が入ってるんじゃねえか」
「仙波の大旦那は斬
死なすったよ」
「ええ?」
「上方の伸間へたのんでおいたら、さっき知らせて来たん....
「活人形」より 著者:泉鏡花
は完し。されども本間が死期の依頼を天に誓いし一|諾あり、人情としては決して下枝を
死なすべからず。さりとて出て闘わんか、我が身命は立処に滅し、この大悪人の罪状を公....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
く生くるも恋のため、煤煙防止も恋のため、可愛い夫のひとり子を、煙のために肺炎で、
死なす心配ないように、尽す心ぞ浪華津の、女の務と思えばこそ、また今の世に立ちもど....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
る。そして現実は、ふたりの前に、今夜の糧と寝床をどうするか。がんぜないお燕を飢え
死なすか、捨て児か。冷酷な決意をたえず強いてやまない。 「アア、良い印籠だなあ。....