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死に場
「死に場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死に場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《しにがみ》に誘われて、お若は勤め先をぬけ出した。二人はこの権田原の榛の木の下を
死に場所と定めて、闇にまぎれて忍んで来ると、かれらよりもひと足先に来ている人があ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の藻が恋しかった。今の玉藻が慕わしかった。 魔女でもよい。悪獣でもよい。せめて
死に場所を一度たずねてみたい。――こうした思いに堪え切れないで、彼は師匠の家をと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
迷惑をかけ、寺の名前にも疵が付く。破戒の若僧もさすがにそれらを懸念して、ふたりは
死に場所を変えたのであろう。こう煎じつめてゆくと、二人が本望通りに死んでしまった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たと見えて、頸《くび》のあたりから流れ出した血汐が枯草を紅《あか》く染めていた。
死に場所といい、その死にざまの怪しいのを見て、狐使いの彼女が狐に殺されたのであろ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おまきの猫を沈めた所であった。 七之助はもう三吉のところに行かずに、まっすぐに
死に場所を探しに行ったのであろう。いくらお初が証人に立っても、母の顔が猫にみえた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おみよの帯をかかえながら表へそっとぬけ出した。それからどこをどう歩いたか、かれは
死に場所を探しながら帯取りの池へ迷って行った。女の帯で首をくくろうか、それとも池....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は心中沙汰である。とりわけて、東京近傍の温泉場は交通便利の関係から、ここに二人の
死に場所を選ぶのが多くなった。旅館の迷惑はいうに及ばず、警察もその取締りに苦心し....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
出逢うものは極めて稀であるが、土人は往々油断してその犠牲になることがある。小鉄の
死に場所が椰子の林であるだけに、その頭を打ったものは人間か木実か、容易に判断をく....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
鏡を大事そうに抱いていた。冬坡を連れて逃げる望みもないとあきらめて、彼女はここを
死に場所に選んだのであろう。お照がみずから滑り込んだのであれば勿論、たとい染吉が....
「俊寛」より 著者:倉田百三
をお救いくださいませ。主人の霊を地獄より救い出してとこしえの平和を恵みたまえ。(
死に場所を選びつつ)今私の霊をあなたの御手に託しまする。(俊寛の死骸を負いたるま....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
でおる! ……町人どもに追い詰められて捕えられては恥の恥だ! ……腹を切りたい!
死に場所を得たい!
兵馬は走りながらこう思った。で、兵馬は横道へそれた。しかし....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
すのを恐れた。彼女は父が今夜はいよいよ拘引されたのをみて、自分も決心した。磯貝の
死に場所であった怖ろしい含満ヶ渕を、彼女も自分の
死に場所と決めたのであった。 ....
「勝負師」より 著者:織田作之助
うとせぬ亭主の坂田に、愛想をつかし、三人のひもじい子供を連れて家出をし、うろうろ
死に場所を探してさまようたが、背中におぶっていた男の子がお父っちゃん、お父っちゃ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
るるか。」と、男はしずかに言った。 「いや、京までは戻りませぬ。今も言うた采女の
死に場所、その亡骸を埋めたところまで……。」 「戻ってなんとせられます。」 「戻....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
気になっていたのであった。 二人は網島から、造幣局の河岸のほうまで歩いて、よき
死に場所をと尋ねた。 ここと思うたところには、太公望が真夜中に魚つりをやってい....