死中[語句情報] »
死中
「死中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
けれど、秀子に新しい命を与えるとまで云われる人だから、此所で其の新しい命を与え、
死中に活を得て秀子の危急を救うて貰わねばならぬ。
余は堅く決心して、森に向い、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
年もあと十日。 十二月三十一日 ◯ああ昭和二十年! 凶悪な年なりき。言語道断、
死中に活を拾い、生中に死に追われ、幾度か転々。或は生ける屍となり、或は又断腸の想....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
の手はさかんになり尋常一様の手段では、とても防ぐ事の出来ぬと見てとりましたので、
死中に活を求める手段、すなわち、わしが頗る軽率に騒ぎ出して、若い人たちに興覚めさ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
落飛ばし、上は国政の不満から、下は閨中の悶々事に到るまで、他愛もなく笑い散らして
死中に活あり、活中死あり、枯木に花を咲かせ、死馬に放屁せしむる底の活策略の縦横|....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ことがまたとあろうか。もう死んだものと諦めた刹那に、ぱっと生きかえったのである。
死中に活を求める。これこそ日本にのみ伝わる武芸の神秘であった。 「おい、お前たち....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
たので、今、「コレ」と云われると、それが厳しい叱咤であろうと何であろうと、活路を
死中に示され、暗夜に灯火を得たが如く、急に涙の顔を挙げて、 「ハイ」 と答えたが....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
とは、すでに説明した筈であるが、その後同氏はその床下に地下道のあることを発見し、
死中に活路を得ようものと無二無三に突き進んだ結果、ほとんど一昼夜を費したところで....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
と筮竹を筒の中へ入れた。それから算木を睨み付けた。 お色は思わず呼吸を呑んだ。
死中ただ一活路 「おお、お娘ご、これはいけない」気の毒そうに左伝次はいった。 「....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
せられなかった。 前から二人、左右から一人ずつ、四人の武士が殺到して来た。 (
死中活!) 主税は躍り出で、前の一人の真向を割り、返す刀で右から来た一人の、肩....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
なった。 〈全軍将兵に告ぐ。草を喰み、土を齧り、野に伏すとも、断じて戦ふところ、
死中、自ら活あるを信ず〉というのは、いまはもうこの世にいない阿南さんの八月十日の....
「三国志」より 著者:吉川英治
凄い戦闘を仕かけた。――人間の逆境も、あれくらいまで絶体絶命に押しつけられると、
死中自ら活路ありで――その道理から予も、とっさに、勝つと確信をもったわけである」....
「三国志」より 著者:吉川英治
れ、炎に迷い、あやうく敵中につつまれ絡るところを、関興、張苞に救われて、ようやく
死中に一路を得たほどであった。 しかし、天まだ明けず、その行く先には、またまた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。「何は措いても……」と急遽、参向したのであろう。千早の籠城半年余の囲みが解け、
死中に活をえたのも、つい二十日前のことでしかない。 だから曠れの凱旋の鹵簿をお....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の運も、また、天下いずれに傾くかのあしたもきまる! 生き抜こう! 死にもの狂い、
死中に入っておたがい栄えある生を剋ちとろうぞ」 といって結んだ。 粛と、すべ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
どりである。 ところで、話をもどして、武蔵野合戦の大勝は、尊氏にとって、まさに
死中に活をえたものといってよい。 彼は、鎌倉を取り戻した。鎌倉じゅうの敵を追っ....