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死処
「死処〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死処の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
で行った。 何とかいう文学士の教頭が、倫理の時間に、武士道の話をした。それは、
死処を選ぶということが武士道の神髄だ、というのだった。 僕はその話にすっかり感....
「死生」より 著者:幸徳秋水
同じであった、其死の社会的価値も亦た寿夭の如何に関する所はないのである。 人生
死処を得ること難し、正行でも重成でも主税でも、短命にして且つ生理的には不自然の死....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
《かんが》うると、いかなる心理作用よりかは知らぬが、同類殺さるを知りながら、その
死処に近づく性《たち》の動物が少なからぬようで、蚯蚓などの下等なものは姑《しばら....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
無為を突き破ろうとする意志の潜勢力を養った。 僕はまた、この「続獄中記」を、「
死処」というような題で、僕が獄中生活の間に得た死生問題についての、僕の哲学を書い....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
兄さん早く引張って往って、貴方のお手柄になすって下さい……サお瀧、お前も此処らが
死処だ、成程考えるとなア茂之さんがお前を殺そうと思って裏口から這入って来た時、お....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
。乞食になるまでの道中をつくるとて悶《もだ》えているのです。要するところは、よき
死処がほしいのです」 と言出すと、久佐賀は手を打っていった。 「仰《おっ》しゃる....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
むしろとりません。剣に神を宿らせたいと願うような大志も結構ではありますが、小さな
死処に心魂をうちこむこと、これも人の大切な生き方だろうと思います。好んで死につく....
「松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
たが、あの女《ひと》の死は立派な無音の詩、不朽な恋愛詩を伝えるであろう。ほんとに
死処《しにどころ》を得た幸福な人である。 松井須磨子の名は、はじめて芸名をさだ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
上ない大罪、何卒お見遁し下すって、御当庵にて自殺いたし相果てますれば、手前幸いの
死処でございます」 美惠「いや、いくら死にたいと云って腹へ刀を突込んでも、死ぬ時....