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「死出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
始める。立って女の手を取るごとき形をしてみる。また書抜きを開いてじっと見詰める)死出三|途《ず》の道なりとも、御身とならば厭わばこそ……(また絶望したるごとく、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とやらはかかわりないか!」 「あるもないもねえ、友次郎だんななんぞ、もうとっくに死出の旅へお出かけですよ」 「なにッ。この世の人でないと申すかッ」 「ひと月もま....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
年はどうなったろう。道を踏み迷わないでいてくれ。自分を誇大して取り返しのつかない死出の旅をしないでいてくれ。もし彼に独自の道を切り開いて行く天稟がないのなら、ど....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
せられ、食終て公舒々と諸軍に向い、最早皆々満腹すれば討死しても餓鬼道へは堕ちず、死出の山を越して直ちに閻魔の庁に入るべし」と。この辺のいきさつは僕の『忠直卿行状....
死生」より 著者:幸徳秋水
得ず味わい得ざるを恐るるのである、(第二)来世の迷信から其妻子・眷属に別れて独り死出の山、三途の川を漂泊い行く心細さを恐るるのもある、(第三)現世の歓楽・功名・....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、綿利《わたり》八右衛門など一人当千の勇士の面々、火の中にもあれ水の中にもあれ、死出|三途《さんず》主従一緒と思詰めたる者共が堪《たま》り兼ねてツツと躍り出た。....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
く乱れてしもて、各々その中隊にはおらなかった。心易いものと心易いものが、お互いに死出の友を求めて組みし合い、抱き合うばかりにして突進した。今から思て見ると、よく....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
紅蓮の井戸堀、焦熱の、地獄のかま塗よしなやと、急がぬ道をいつのまに、越ゆる我身の死出の山、死出の田長の田がりよし、野辺より先を見渡せば、過ぎし冬至の冬枯の、木の....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
み、如何にも刃味|宜しとて主君に奉る。今は斯様よとそれにて御自害あり、近臣一同も死出の御供、城は火をかけて、灰今冷やかなる、其の残った臣下の我等一党、其儘に草に....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
ては読めない境遇だったし、新聞社の掲示板の前へ立つにも、土地は狭い、人目に立つ、死出|三途ともいう処を、一所に※った身体だけに、自分から気が怯けて、避けるように....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
いのをおそれるのである。(第二)来世の迷信から、その妻子・眷属にわかれて、ひとり死出の山、三途の川をさすらい行く心ぼそさをおそれるのもある。(第三)現世の歓楽・....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
に死ぬことさえも、一度ならずあった。その他のことについては、オールド・ベーリーは死出の旅宿のようなものとして名高かった。そこからは、色蒼ざめた旅人たちが、二輪荷....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
きたのが、あの男なのでした。 この手記の筋を用いて童話ならできるだろう。少年が死出のミヤゲにパンパンを買いに行ったり、オカマが現れたり、大そう汚い童話だが、ス....
雪柳」より 著者:泉鏡花
すらりと落しにさして、――という処で、前後しました…… ここで死んでは憚る人目。死出の山辺に燈一つ見える、一つ灯にただ松一つ、一本松こそ場所|屈竟と、頃は五月の....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
、資本主義のみ栄えゆき、煙る心に安きなく、死人と肺病殖えてゆく、煙の都は死の都、死出の旅路に出る覚悟なら、いっそよいことしてゆこう。煙を断たぬその前は、初児の肺....