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死出の山
「死出の山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死出の山の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
せられ、食終て公舒々と諸軍に向い、最早皆々満腹すれば討死しても餓鬼道へは堕ちず、
死出の山を越して直ちに閻魔の庁に入るべし」と。この辺のいきさつは僕の『忠直卿行状....
「死生」より 著者:幸徳秋水
得ず味わい得ざるを恐るるのである、(第二)来世の迷信から其妻子・眷属に別れて独り
死出の山、三途の川を漂泊い行く心細さを恐るるのもある、(第三)現世の歓楽・功名・....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
せてそのまゝに
落れば土と飛んでそらまで八十三老白里
死後希望
死出の山越えて後にぞ楽まん
富士の高根を目の下に見て八十三老白....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
紅蓮の井戸堀、焦熱の、地獄のかま塗よしなやと、急がぬ道をいつのまに、越ゆる我身の
死出の山、死出の田長の田がりよし、野辺より先を見渡せば、過ぎし冬至の冬枯の、木の....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
いのをおそれるのである。(第二)来世の迷信から、その妻子・眷属にわかれて、ひとり
死出の山、三途の川をさすらい行く心ぼそさをおそれるのもある。(第三)現世の歓楽・....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
いが、あれを遠くで聞いていると、弥之助の幼な心は何となく無常の感じにおそわれて、
死出の山路をそろりそろりと人魂《ひとだま》が歩んで行くような気持がさせられた。 ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
房たちの手前もきまり悪く恥ずかしくおなりになって、古手紙を少し前方へ押しやって、
死出の山越えにし人を慕ふとて跡を見つつもなほまどふかな と仰せられた。女房たち....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
すらりと落しにさして、――という処で、前後しました…… ここで死んでは憚る人目。
死出の山辺に燈一つ見える、一つ灯にただ松一つ、一本松こそ場所|屈竟と、頃は五月の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と武蔵の眼に泛かぶ――
「――自分より一足先に死んでいる人がある」
あしたは、
死出の山で、その人とも、どこかで知己になりそうな気がして、微笑まれる。
通夜の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
否や。……万一にも、私もまた、小次郎の手にかかり、返り討ちになった時は、一足先に
死出の山路でお待ちしておりまする」 そこは下総国行徳村からざっと一里程ある寒村....