死力[語句情報] » 死力

「死力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
きとは反対に一寸ずつ、一分《いちぶ》ずつ、じりじり彼を圧して行った。彼はそれでも死力を尽して、両手に岩を支えながら、最後まで悪闘を続けようとしたが、岩は依然とし....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
いったと称しています。あれは偽せの兄ですよ。本当の兄なら、屍体を取返そうと思って死力をつくして追駈けてゆきます」 「イヤあれは本当の兄だよ」 「私は随分部下や新....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
隊も後退のやむなきにいたった。又前方で新発田隊と穴山隊の混戦があったが、穴山隊も死力をつくして激戦した。この時越の本庄、安田、長尾隊は甲の両角、内藤隊と甲軍の右....
近時政論考」より 著者:陸羯南
論派は藩閥内閣を弁護して「政権は口舌をもって争うべからず、実功をもって争うべし、死力を出して幕府を仆したる者がその功によりて政権を握れり、これを尊敬するは人民の....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
員は、ルナビゥム運搬《うんぱん》で疲れ切った身体を自ら叩きはげまして配置につき、死力をつくして急ぎ出発準備をととのえにかかる。これには、まだいささか時間が必要で....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
が、非常に危険だというのか。よろしい、分かった。すぐ避難命令を出す。そっちは一つ死力をつくして、がんばってくれ!」 電話機を下においた船長の顔は、まったく、一....
火星兵団」より 著者:海野十三
課長は何事ももうこれまでと思い、部下のとむらい合戦のつもりで火星人の中に斬込み、死力を尽くしてはなばなしく戦い、そこで死んでしまうつもりだった。そんな悲壮な決心....
火薬船」より 著者:海野十三
どの豪胆者も、この場の光景を見たときに、なにかしら、じーんと頭のしんにひびいた。死力 ハルクの呼吸は、発動機船のように、はやい。 「おい、ハルク。しっかりしろ....
怪塔王」より 著者:海野十三
んうすくなってきて、いまやあたりはとっぷり暮れようとしています。 塩田大尉は、死力をつくして、空中の怪塔ロケットをおいました。怪塔ロケットがまごまごしているお....
流線間諜」より 著者:海野十三
と問題の燐寸の頭には密かに隠しインキの現像薬が練りこんであったといえる。密偵団が死力をつくして燐寸の棒の奪還をはかったわけもわかる。死の制裁をもって責任者を処罰....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
ぎあげると、ドンドン両国橋の上を駆けだした。 「ま、待てッ、卑怯者!」 お妙は死力を尽して追いかけた。しかし機械人間は、お妙の五倍もの快速で逸走したのであった....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
を見しことあらざる、孤屋に幽閉の番人として、この老夫をば択びたれ。お通は止むなく死力を出して、瞬時伝内とすまいしが、風にも堪えざるかよわき婦人の、憂にやせたる身....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
の峰にそっくりであります。 この上、雷。 大雷は雪国の、こんな時に起ります。死力を籠めて、起上ろうとすると、その渦が、風で、ごうと巻いて、捲きながら乱るると....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
罵り騒ぐは、ここ開けよ開けよと云うならん、開けては一大事なり、余は両手を伸ばし、死力を出して下より蓋を押えおる、海賊等は上よりこれを引きはなさんとす。幸いこの帆....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
むを得ず日本へ遁帰りて再び生命を一枝の筆に托せざるを得ざるべきも、先づそれまでは死力を尽して奮闘の覚悟に候、北京の町の汚なさお話になつたものにあらず、宮中|厠と....