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死地
「死地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼の振り廻す幅広の剣は、一太刀毎《ひとたちごと》にこの若者を容赦《ようしゃ》なく
死地へ追いこんで行った。いや、彼は数合の内に、ほとんど一気に相手の頭を斬り割る所....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
高地の上には、聯隊長始め何人かの将校たちが、やや赤らんだ空を後《うしろ》に、この
死地に向う一隊の士卒へ、最後の敬礼を送っていた。
「どうだい? 大したものじゃな....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なり。そのために相手はこられなくなったわけ。私達はいい気持で寝、代りに勇士たちが
死地にとび込み、そのうちの何人かは散華する。貴い代償だ。一夜の暖睡の貴さよ。眠っ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
0・444号の車輪に、再び新しい黒豚のミソがくっ着いて来たんです。調査の結果、轢
死地点は前回と同じB駅に程近いカーブの上り線路上である事が判りました。不思議と言....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は心中大いに憤った。 「担生の奴め。おれは貴様を養ってやったのに、かえっておれを
死地におとしいれるとは何たることだ」 蛇はその夜、県城を攻め落して一面の湖とし....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
漢字破りの大演説が樗牛のニーチェ論よりは全国に鳴響いた。博士は又大詩人であって『
死地に乗入る六百騎』というような韻文が当時の青年の血を湧かした。 二十五年前に....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
「電話では、ちょっとしゃべれないね。とにかく万全の用意をととのえていることだ。
死地に落ちてもなげかず、順風に乗ってもゆだんせずだ。ねえ、そうだろう」 「はあ」....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
の板の上を、何者かが歩いているのを見たことがある。八木君は、そこからなんとかして
死地を脱する道を発見したいものだと考えた。 はたして、それはうまくいくであろう....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
みにしようと、おそいかかって来たのだ。 太刀川も覚悟はきまっていた。 どうせ
死地にあるのだ。辱めをうけるより、日本人らしくたたかって、死のう。 「来い」 「....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
理由はただそれだけではない。彼の鋭い頭の働きと、底知れぬ大胆さと、そしていかなる
死地にあっても、くそおちつきにおちついて物事を考える。そして、よしとなったらどん....
「転機」より 著者:伊藤野枝
自分で生きてゆくことのできない人間なんだ。どんなに正直でもなんでも、自分で自分を
死地におとしていながらどこまでも他人の同情にすがることを考えているようなものは卑....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ごとく、清く澄んで星のごとく輝くのである。我はお雪の供給に活きて、渠をして石滝の
死地に陥らしめたのに、少年はその優しき姿と、斗大の胆をもって、渠を救うために目前....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
う水沢の不人情が急に憎らしくなった。お島さんはあくまでも水沢を追いつめて、かれを
死地におとしいれなければ堪忍が出来ないように思われて来たに相違ない。お島さんはそ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
なる愛犬の死について、強い悲哀と強い自責とを感ぜずにはいられなかった。私がかれを
死地へ連れ込んだのである。最初は恐怖のために死んだのであろうと想像していたが、そ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
得三の面色、こは殺さるるに極ったりと、屠所の羊のとぼとぼと、廊下伝いに歩は一歩、
死地に近寄る哀れさよ。蜉蝣の命、朝の露、そも果敢しといわば言え、身に比べなば何か....