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死活
「死活〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死活の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
いの? 電話を切るわよ。そんな無駄話は、いや。」 「しかし、僕にとっては、本当に
死活の大問題なんです。僕は、道徳は、やはり重んじなけりゃならん、と思っているんで....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
事業の序幕が開かれたのである。 ベルギーを衝くか衝かぬかは、ベルギーにとっては
死活の問題であった。人々は皆独帝の剣《つるぎ》が、他を指すことを心ひそかに祈って....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
第二巻に、渚へ寄する泡沫《ほうまつ》と、アルプス山頂の雪とは、海と山とを描いて、
死活の岐《わか》れるところだというような意味で書いてある、落日より億万の光線を吸....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の目の前にまで起こって来た。それは木曾川上流の沿岸から奥筋へかけての多数の住民の
死活にもかかわり、ただ一地方の問題としてのみ片づけてしまえないことであった。それ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
きも、京王電鉄会社や大地主等にとっては利益問題だが、純農者にとっては取りも直さぬ
死活問題であるのだ。
然るに京王電鉄は、一方|先棒の村内有力者某々等をして頗る....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
したるなりき。この国家の大事に際しては、渺たる滄海の一|粟、自家川島武男が一身の
死活浮沈、なんぞ問うに足らんや。彼はかく自ら叱し、かの痛をおおうてこの職分の道に....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
(資本金四千万円)を政府に建議した手前もあるので、今度の調査委員会案は既設会社の
死活問題だというわけで、この案の実現を阻止しようと寄りより協議中であった。 尤....
「物理学実験の教授について」より 著者:寺田寅彦
来すのは常の事である。このような場合における教員の措置|如何は生徒の科学的精神の
死活に関するような影響を有するものと思う。この場合に結果を都合のよいようにこじつ....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ークランド岡が森の陰にきえたとき、一同の顔にさびしい色がうかんだ。明け暮れここで
死活をともにした十五少年の二ヵ年、斯山斯水、なじみの深いこの陸地と、いま永久に別....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
情を禁じあたわざるがごとき、微妙なる音調を尚しとするものである。 そこで文章の
死活がまたしばしば音調の巧拙に支配せらるる事の少からざるを思うに、文章の生命はた....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
活に動揺を来すというほどの大事件ではない。それと反対に、彼に取っては実に重大なる
死活問題である。彼が網を張るのは悪戯や冗談ではない、彼は生きんがために努力してい....
「城」より 著者:カフカフランツ
スにとっては、自分がほんとうにクラムと話しているのか、そうでないか、ということは
死活の問題ですもの」
「私にとってもそれに劣らぬくらいの問題ですね」と、Kはいっ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、やい八蔵、どうしたどうした、え、八蔵ッ、と力任せに二つ三つ掴拳を撲わせたるが、
死活の法にや協いけん。うむと唸くに力を得て「やい、しっかりしろ。と励ませば、八蔵....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
えなかったろうということである。エセックスにとって、アイルランドに勝利することが
死活問題であるのは、明白であった。はたして彼は勝利をうるか? この主題に対して悲....
「挿話」より 著者:徳田秋声
道太の兄のやっている会社の社長の弟であった。 それからその一家の経済的窮状や、
死活問題の繋っている鉱山の話などしながら、次ぎ次ぎに運ばれる料理を食べていた。 ....