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「死相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
づくと映してみた。彼は幾たびか眼を据えて透かして視たが、自分の若々しい顔の上から死相を見いだすことは出来なかった。かれは溜息と共に鏡を投げ出した。 「陰陽師、身....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、五で、ブリアン型の髭さえなければ、余程厳つい顔立であろうが、その半ば口を開いた死相を見ると、ただただ安らかな眠という外にない。 室内には位置の異なった調度類....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
い出しました。 「はて、不思議なことがござる。この座にある人々のうちで、その顔に死相のあらわれている人がある。」 一座の人たちは蒼くなりました。人相見や占いが....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
あろう。父もまた本望じゃ。 かえで ええ。 夜叉王 幾たび打ち直してもこの面に、死相のありありと見えたるは、われ拙きにあらず。鈍きにあらず。源氏の将軍頼家卿がか....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、異様な符合が現われている事だった。法水がその面当を外すと、そこに易介の凄惨な死相が現われた。はたせるかな、法水の非凡な透視は適中していたのだ。のみならず、ダ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ガンマ和尚がなんだい。おれがちょっと宇宙の一角へむけて信号すればたちまちガン星は死相をあらわす。ふふン、おれの力も、こうなるとなかなかたいしたものだぞ」 ガス....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
かえって切実な言葉が著けられない。ただ一つ言って置きたいのは、ここではその静寂が死相を被った静寂ではないということである。殉死をすぐ前に置いて、長十郎と共に午睡....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
て動かなくなった。 「あやめよ、お葉よ、二人の娘よ!」と、これは精神の過労から、死相を呈して来た松女は叫んだ。 「お前たちの母は、荏原屋敷の主婦は、おおおお決し....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
に弱々しく抗している様子である。 その顔は「面」のように作られ、奇妙に清らかな「死相」を感じさせる。天空の彼方から吹き来たる風が、衣裳の袂や、手にした竹の枝葉を....
深川女房」より 著者:小栗風葉
引き取るのを待つのであった。力ない病人の呼吸は一息ごとに弱って行って、顔は刻々に死相を現わし来たるのを、一同涙の目に見つめたまま、誰一人口を利く者もない。一座は....
父の怪談」より 著者:岡本綺堂
子供といい、盆燈籠といい、なんだか同一人ではないかと疑われる点が多い。いわゆる「死相」というようなものがあって、今や死ににゆく女の顔に何かの不思議があらわれてい....
真間の手古奈」より 著者:国枝史郎
…」 後年左衛門は人にいったそうです。―― 「そうだよ、お蘭という娘の顔には、死相が現れていたのだよ。これはいけないと思ったのでだんだん話しをして行くうちに、....
迷信解」より 著者:井上円了
なる寺の墓所に死人ありと告ぐるゆえ、家族の者すぐさま四谷に行きしところ、もはや検死相済み、埋葬せしあとなれば、ぜひなくその様子を聞くに、背といい恰好といい衣服と....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
も変らず、極めて平和な温順な人相を現わして、斯る変死者に往々見る所の苦痛や煩悶の死相は少しも見えなかった。父は恐く不意に殺されたのであろう。父は怖るべき危害の迫....
活人形」より 著者:泉鏡花
お前死んでも浮ばれるぜ。「ええ悔しい。「悔しい事があるものか。首実検に入れ奉る。死相変じてまッそのとおり、ははははは。「お前はなあ。「これ、古風なことをするな。....