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死肉
「死肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
だよ。だから我々は肉ばかり描いている。どんな肉を描いたって、霊がこもらなければ、
死肉だから、絵として通用しないだけだ。そこでこの里見さんの目もね。里見さんの心を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いのですから、よろしかったらこのまま召上ってください、と言わぬばかり。 だが、
死肉は食えまい。いかに飢えたりとも、天が特に爪牙《そうが》を授けて、生けるものの....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
言い伝えられている乾坤二刀が、今や所を異にしたのだ!
……凶の札は投げられた。
死肉の山が現出するであろう! 生き血の河も流れるだろう。
剣の林は立ち、乱闘の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
つし》んで席をはずしたが、ジルノルマン氏はいつもそこについていた。鋏《はさみ》で
死肉を切り取る時、彼はいつも自ら「いた、いたい!」とうめいていた。震えを帯びてる....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
しんで死んでも、いくらか痩せるくらいでまんざら役に立たないことはない。 彼等は
死肉を食べつつある!――何かの本に書いてあったことを想い出したが、「海乙那」とい....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
女が感心していると、鞘《さや》走りの音がして、侍の手にぎらりと長刀が光った。 「
死肉じゃが、久しぶりにためし斬り――」 これはたまらない。思い切って飛び起きよ....
「鮟鱇一夕話」より 著者:北大路魯山人
Kさんは、もとよりわにのつもりで女史の不在中においていったらしい。Kさんはわにの
死肉だけを一片持って、相手をたぶらかさんものとなめてかかり、彼女も一応ひっかかっ....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
豚肉を与えて、その肉片の中の神経と神経と、血管と血管とを接合することであったが、
死肉の神経や血管を接続することは余程よく熟練している外科医にも容易に出来るもので....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
な餅もあった。 死んだ鳥の肉は不味かった。自分だけの身を考えて、あわててそんな
死肉で腹を膨らましてしまった伊織は後悔した。――自分を捨てて、大勢のために考えれ....