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死蔵
「死蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
死蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
―あれでは、支那古代陶器が単なる装飾物にすぎなかった。ところが今度は、算哲博士が
死蔵している、カロリング朝以来の工芸品だ。その中に、あるいはボルジアの壺がないと....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
あり、全亜細亜蔵炭量の約八割に当る六千八百億トンの石炭と、無尽蔵とも言うべき鉄が
死蔵されている。日本が今後、鉄と石炭との需給において独立せんとするならば、山東炭....
「斜陽」より 著者:太宰治
いちどもこの頸巻をした事が無く、永い事うち棄ててあったのだ。それを、ことしの春、
死蔵品の復活とやらいう意味で、ときほぐして私のセエタにしようと思ってとりかかって....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いました」 「それは本来、金銀というものは国家経済のために流通すべきものなので、
死蔵して置くということは一種の罪悪だ、それに今は幕府をはじめ、諸侯という諸侯、み....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
語を熱心に読み出すことになりました。駒井が多くの蔵書家であり、同時にそれが単なる
死蔵書ではなく、充分に読みこなす人であり、読みこなすのみではない、これを実地に活....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しい、なければないで済ませるが、すでにこの通り多数の物入があって、それをそのまま
死蔵せしめて置くは、宝の山に手を空しうするも同じこと。誰を憚《はばか》る、要らぬ....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
持ってやしないんだろうね。あのひとのように、やたらに貯蓄ばかりして、脂肪を皮下に
死蔵するのは、まだいい方かも知れないが……。」 「いい体質じゃないんだね。」 「....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
られるのです。兄小路キンスケと仰有る。明晩つれて参るけど、いかゞでせうか、新円を
死蔵しちやアいけないなあ」 「君は古風だよ。見当違ひばつかり言つてるぢやないか。....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
人残らず知っていた。 南堂伯爵未亡人は、その尤なる者であった。 巨万の財産を
死蔵して、珍書画の蒐集に没頭していた故伯爵が四五年前に肺病で死ぬと間もなく未亡人....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いるので、その辺り一体が暗く見えていた。 (ああいう所には有り余る金が、腐るほど
死蔵されているのだろうなあ) ふとこんなことが思われて、主水はその方を眺めやっ....
「明治の五十銭銀貨」より 著者:服部之総
ってしまった――あるにしても三井や鴻《こう》ノ池《いけ》や大大名の金蔵の奥ふかく
死蔵されてしまった今日となって、銀貨の品質に文句をつけて「贋貨」というのは居直り....