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「死馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

死馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
骨董」より 著者:幸田露伴
骨董を買う以上は贋物を買うまいなんぞというそんなケチな事でどうなるものか、古人も死馬の骨を千金で買うとさえいってあるではないか。仇十州の贋筆は凡そ二十階級ぐらい....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
事に到るまで、他愛もなく笑い散らして死中に活あり、活中死あり、枯木に花を咲かせ、死馬に放屁せしむる底の活策略の縦横|無礙なものがなくては、博多仁輪加の軽妙さが生....
十二支考」より 著者:南方熊楠
聞奇集』に見えたわが邦の頽馬というは、特異の旋風が馬を襲い斃《たお》すので、その死馬の肛門開脱する事、河童に殺された人の後庭《しり》と同じという。それから『説文....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
て蕪村句集を得せしめ、余らまたこれを借り覧《み》て大いに発明するところありたり。死馬の骨を五百金に買いたる喩《たとえ》も思い出されておかしかりき。これ実に数年前....
三国志」より 著者:吉川英治
う。 諸将の意見もまちまちだった。硬論を主張するものは、陽春の候もやがて近し、死馬を喰って頑張っても、その時を待って一戦を決せずんば、遥かに南下した効もないと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、どこへ行っても一物すらない。食えるのは持っている馬ぐらいなものだが、それは敵の死馬でもかたく禁じられていた。もしゆるせば数万の餓兵である。味方の馬をも食いつく....
私本太平記」より 著者:吉川英治
に自刃するなど、いかに苛烈な抗戦であったかは、あとになって、城砦に入ってみると、死馬の骨が山とつんであったのでも分った。籠城の将兵はみな、馬を食っていたのである....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
いるうちに、耳は潮鳴りで塞がれてしまう。青ぐろい渦潮の下から、ふと、流されて行く死馬につかまっている武者の背や、夥しい矢や楯や、また緋の袴の黒髪などが眼に見えて....
黒田如水」より 著者:吉川英治
年のあいだ、籠城中の皆のはたらきは、前代|未聞のことであった。草木の根を食い野鼠死馬の骨を舐りおうて戦ったことも、今はなつかしくもあり、正しく武門のほまれといえ....