»
殃
「殃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殃の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
したことに鳧《けり》がつくのか。 心がそんなことにひっかかると私はいつも不眠を
殃《わざわ》いされた。眠れなくなると私は軍艦の進水式を想い浮かべる。その次には小....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
しちぶん》 如阿梨樹枝《にょありじゅし》
如殺父母罪《にょしぶもざい》 亦如厭油
殃《やくにょおうゆおう》
斗秤欺誑人《としょうごおうにん》 調達破僧罪《じょうだ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
もん》押し懸けて詛《のろ》い波婆利大いに困る、ところへ虎に食われた弟子天より降り
殃《わざわい》を脱れんとならば仏に詣《まい》れと教え一同を仏教に化した、話が長い....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
となって、いつか知らず色のなかに滲《にじ》み出てくるのだった。 わけても、鬼猪
殃々《おにやえもぐら》のような武装の固い兇暴な植物は、ひ弱い他の草木の滴《しずく....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
往った。 ある日、公子は心配そうな顔をしていたが、孔生に言った。 「天が私達に
殃を降そうとしているのです、救うていただけましょうか」 孔生はその意味がわから....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ち》別の奉公の品もなきに、二百五十石新恩を拝領せしは、寛文中の事とあり。またその
殃禍篇《おうかへん》に、美濃の御嶽《おんたけ》村の土屋某、日来《ひごろ》好んで鶏....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ります。 「つらつら世間の現象を観ずるに、積善の家には余慶あり、積悪の家には余
殃《よおう》あり、尤《もっと》も慎むべきは此道也、ここに薩隅日三州の太守、島津|....
「風波」より 著者:井上紅梅
だ。そうして今がちょうど三度目だ。きっとこれは彼自身に喜びがあって、彼の仇の家に
殃いごとがあるのだ。 七斤ねえさんは覚えている。二年前に七斤は酔払って一度、趙....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
る、蕃人襲来のおそれもある。 しばしの別れだが、使命は重かつ大、どこでどんな災
殃にあうかもしれぬのだ。ゆくものも暗然たり、とどまるものも暗然たり、天には一点の....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
汞服沙一日に非ず 古木再び春に逢ふ無かる可けん 河鯉権守 夫れ遠謀|禍
殃を招くを奈ん 牆辺耳あり※を舁ぐの孤児戦場に趁く 蟇田素藤 南面孤を....
「政事と教育と分離すべし」より 著者:福沢諭吉
と、その時にあたりては物論はなはだ喧しといえども、暴君去り汚吏除くときは、その余
殃《よおう》を長く社会にとどめることなし。けだし暴君汚吏の余
殃かくの如くなれば、....