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殉
「殉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
いほはしょくだん》等に散見する、じゅりあの・吉助の一生である。そうしてまた日本の
殉教者中、最も私《わたくし》の愛している、神聖な愚人の一生である。
(大正八年八月)....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
首を振って、『それは彼等の主張は間違っていたかもしれない。しかし彼等がその主張に
殉《じゅん》じた態度は、同情以上に価すると思う。』と、云うのです。そこで私がもう....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
しに刻薄《こくはく》に線路へ伝わっている。そのまた生命は誰のでも好《い》い、職に
殉《じゅん》じた踏切り番でも重罪犯人でも同じようにやはり刻薄に伝わっている。――....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わったものである。わたしの信ずるところによれば、或は柱頭の苦行を喜び、或は火裏の
殉教を愛した基督教《キリストきょう》の聖人たちは大抵マソヒズムに罹《かか》ってい....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
です。そう云う場合、どうなると云う明文は守衛規則にありませんから、――」
「職に
殉《じゅん》じても?」
「職に
殉じてでもです。」
保吉はちょいと大浦を見た。大....
「或る女」より 著者:有島武郎
に、健康らしいばら色を帯びた容貌《ようぼう》や、甘すぎるくらい人情におぼれやすい
殉情的な性格は、葉子に一種のなつかしさをさえ感ぜしめた。しかし実際顔と顔とを向か....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
。人とは言うまい、犬とでも、花とでも、塵とでもだ。孤独に親しみやすいくせにどこか
殉情的で人なつっこい私の心は、どうかした拍子に、このやむを得ない人間の運命をしみ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
)、若しくは報酬を得ることを期待し得てする仕事が何で愛他主義であろうぞ。何で他に
殉ずる心であろうぞ。愛するのは自分のためではなく、他人のためだと主張する人は、先....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
第十代昌一ヲ始メ妻英、長男晴彦、二男暢彦、三男昌彦、二女陽子ノ六名、恐レ乍大君ニ
殉ズルコトヲ御許シ願フ次第也 一、一族憤激シ、絶頂ニ在ルモ、倶ニ抱キ朗顔ヲ見交ハ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
っかる。いまいましい、腕づくでもぎ取ってくれようとすると「オオ神様泥棒が」って、
殉教者の様な真似をしやあがる。擦った揉んだの最中に巡的だ、四角四面な面あしやがっ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
じめたが、最初に見つかったのは、佐々の連の警官の死体であった。いたましくも、彼は
殉職してしまったのである。
佐々は作業隊をはげまして、さらに、発掘をつづけた。....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
りは一日にてもその事うるところに忠ならんことを勉め、鞠躬尽瘁、終に身を以てこれに
殉じたるものなり。外国の力を仮りて政府を保存せんと謀りたりとの評の如きは、決して....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
て旌旗を捲く 仇讎を勦滅するは此時に在り 質を二君に委ぬ原と恥づる所 身を故主に
殉ずる豈悲しむを須たん 生前の功は未だ麟閣に上らず 死後の名は先づ豹皮を留む 之....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
らないんだ。 瀬古 おいおい花田、おまえ気でも違ったのか。僕たちは芸術家だよ。
殉教者じゃないよ。 花田 芸術のために
殉死するのさ。そのくらいの意気があっても....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
かったらしい。ツマリ二葉亭の持前の極端な潔癖からしてそれほどでもない些細な事件に
殉じて身を潔くするためらしかった。二葉亭自身もこの事については余り多く語らなかっ....