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殉死
「殉死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殉死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
主が死んだ。その葬式が済むと、つづいて用人の一人貝沢源太夫が死んだ。それが禁制の
殉死であるともいい、または毒害ともいい、詰腹ともいう噂があった。 こうなると、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
物もなく、奪わるべき何者もない。 だからその場合彼が死ぬことは私が死ぬことだ。
殉死とか情死とかはかくの如くして極めて自然であり得ることだ。然し二人の愛が互に完....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
墓標の林立。「無名親子の墓」「娘十四、五歳、新しき浴衣を着す」「深川区毛利町方面
殉死者」などと記されている。 仮埋葬は都内六十七ヵ所。既設は谷中、青山のみ。あ....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
にを惜しみなにをうらみむもとよりも 此の有様の定まれる身に この時同じく
殉死した垣並佐渡守の辞世は、 |莫 人我暫時情 一物不生地 山寒海水清 家臣は....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
から突崩した。側の一条右衛門大夫信就に向って云うには、「某は先月信玄公御法事の時
殉死を遂げんとした処高坂昌澄に諫められて本意なく今日まで存命した。今日この場所こ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
大膳という者は政宗の父輝宗の臣であった。輝宗が二本松義継に殺された時、後藤基信が
殉死しようとしたのを政宗は制した位で、政宗は
殉死を忌嫌ったけれど、其基信も須田大....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ま動かなくなっていた。 「愕かせやがる。大きな鼠だ。なにもわざわざこんなところで
殉死しないでもよかろうに……」 古堀は、そういって帆村を見て軽く会釈した。 「....
「死者の書」より 著者:折口信夫
は、忘れ了されて居るのだ。憐みのないおっかさま。おまえさまは、おれの妻の、おれに
殉死にするのを、見殺しになされた。おれの妻の生んだ粟津子は、罪びとの子として、何....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
情にはむしろこの方が適し、小乗の宗教に通じる。性欲を満したいという意欲と、国君に
殉死したいという意欲とに、そのものとしての価値等級を付さないことは人情には無理で....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
て磐余の池にて自害されたとき、妃山辺の皇女が流涕悲泣して直ちに跡を追い、入水して
殉死された有名な事蹟がのっている。また花山法皇は御年十八歳のとき最愛の女御|弘徽....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
の馬を索き出すと、まだ十足とは歩かない中に二頭ながら倒れて呼吸絶えた。 神妙の
殉死と云わなければならない。 二 「今はならぬ!」と明瞭りと先生から殉....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
阿部家滅亡の雰囲気のなかにくっきりと花を咲かせていたが、それとは別に内藤長十郎|
殉死の事がその前段にある。そこでは、丈の高い石の頂を掘り窪めた手水鉢に捲物の柄杓....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
え気でも違ったのか。僕たちは芸術家だよ。殉教者じゃないよ。 花田 芸術のために
殉死するのさ。そのくらいの意気があってもいいだろう。その代わり死んだ奴の画は九頭....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
れるものは、必ず死して人間界の束縛から脱離することを条件とする。なお死者に対して
殉死者があると同一思想に基づくものである。
殉死者は決して死者の食物とならんが為で....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
されて遂にシュクと云われたのであるという。或いは夙の先祖は高貴の葬儀の際における
殉死者で、その実
殉死したと見せかけて墳墓から逃れさせてもらった代りに、永久日蔭者....