殊な[語句情報] »
殊な
「殊な〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殊なの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
しばらくの間に見違えるほど refine されて、元から白かったその皮膚は何か特
殊な洗料で底光りのするほどみがきがかけられて、日本人とは思えぬまでなめらかなのに....
「星座」より 著者:有島武郎
したいような衝動を感じた。それが悪るかった。自然に溜息が出たあとに味われるあの特
殊な淋しいくつろぎは感ずることができなかった。園が出ていった戸口の方にもの憂《う....
「弓町より」より 著者:石川啄木
三の問題についていおうと思う。最も手取早《てっとりばや》くいえば私は詩人という特
殊なる人間の存在を否定する。詩を書く人を他の人が詩人と呼ぶのは差支《さしつかえ》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
自然の本能の一部なのだから。然しここまで私の考察を書き進めて来ると、私はそれを特
殊な名によって呼ぶのを便利とする。 人間によって切り取られた本能――それを人は....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
七図のようになる。これらの矢は皆天球上のある一点から輻射するように見える。この特
殊な点を『皆向点』(Apex)と名付ける。この点は明らかに太陽の進行している目標....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
て、それがずらりと遠くまでならび美しい縞を見るようであった。太陽はない。上から特
殊な光線がこの野菜棚を照らして、太陽の光りにあたるよりもずっとよく育つのだそうだ....
「海底都市」より 著者:海野十三
くそこに住むことが出来ないだろう。 いや、ほんとうは、この海底戦闘では、その特
殊な場所がらと体力から考えて、双方ともひどいぎせいを払うことになりそうだ。つまり....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
事に刑事の左脚に命中し、太腿のところから千切ってしまった。貫一の使っているのは特
殊な破壊弾であったから、こんな工合に恐ろしい破壊力を発揮するのであった。 貫一....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
なように作られてあったが、また同時に戦闘もできる。その外、万一の場合も考えて、特
殊な離脱装置も考えてある、なかなかすぐれたロケット機だ。 彗星号の形は、胴の両....
「転機」より 著者:伊藤野枝
うに思われた。 私は、自分の現在の生活に対する反抗心が炎え上がると、そういう特
殊な仕事の中に、本当に強く生きて動く自分を夢想するのだった。 しかし、その夢想....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
することを要する。それには先ず液体について、疑問の矢を向けるべきであろう。何か特
殊な溶液であるかも知れない、と考えたので科学者はいきなりバケツの中へ手をつきこん....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
実例をあげようと思えばいつでもあげられる「実話」なのである。 次に映画音楽の特
殊な要求として、非常な短時間(といつても十秒以下ではむりであろうが)のうちに一つ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
つてはならないが、しかしたとえ我々の映画が一流の域に達した暁においても、我々の特
殊な風俗・習慣・言語の垣根は決して低くはならないことを銘記すべきである。そしてそ....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
か、或いは高家の隠居が愛用して居た莨入だとか、そういったトリヴィアルなものに、特
殊な床しい美が発見されるのです。そこにも又尊い芸術の光、古典の命が潜んで居ます。....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
けれども、それはけっして国家的民族的要求と無関係のものではない。人格実現はその特
殊なる国家的民族的関係を離れてなし得られるものではない。やはり特
殊なる境遇に適応....