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殊の外
「殊の外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殊の外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
。貴下の設計になる音楽浴は、すばらしき効果をあげています。ミルキ閣下においても、
殊の外の恐悦です。わたしもまた、敬意を表するにやぶさかではありません」 博士は....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
えつけた目録を図書館に需めるは不当であろうが、日本の普通図書館には求められない特
殊の外国書目が丸善には準備されているのだ。尤も書肆であるから学術上の貴重なる書目....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
方は憚らなかったとも云えるが、文展出品は内密を主んじる風があった。 私などは、
殊の外恥かしがり屋の故を以てか、浅草や千束町へは毎晩通っていたが、文展へ絵を出す....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
てありし。 お通に申残し参らせ候、御身と近藤重隆殿とは許婚に有之候 然るに御身は
殊の外|彼の人を忌嫌い候様子、拙者の眼に相見え候えば、女ながらも其由のいい聞け難....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いった。お雪は止むことを得ず、その懐に入って救われんとしたのであろう。 紳士は
殊の外その意を得た趣で、 「まあ、一所に来たまえ。だから僕が悪いようにゃしないと....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
物に成り済ましていたのだ。 変槓なこったがそれからというものは、果してみんなが
殊の外彼を尊敬するようになった。これは阿Qとしては自分が趙太爺の父親になりすまし....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
層月の色がいい。 乃公は三十年あまりもこれを見ずにいたんだが、今夜見ると気分が
殊の外サッパリして初めて知った、前の三十何年間は全く夢中であったことを。それにし....
「薬」より 著者:井上紅梅
段々に土を盛り上げ、さながら富家の祝いの饅頭を見るようである。 今年の清明節は
殊の外寒く、柳がようやく米粒ほどの芽をふき出した。 夜が明けるとまもなく華大媽....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
うまでもないが、科学に趣味を持つ者にとって、このような表題について想を練ることは
殊の外愉快なものである。これは「子供の時間」である。が早く「演芸放送」の時間に堂....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て静かに低く流されてゆくのがよく見える。悠々たる思いがする。ここの海港の盛り場は
殊の外|賑わしい。ナポリである。鶴見はその本の訳者とともにナポリの町をさまよい歩....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
たいと存じやして……」 「何と云われる。由利殿が亡くなられた?……あの娘御とは、
殊の外親しくいたし、昨夜もここへ見えられたが……」 「左様でござんすか。そんなに....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て紋床へ割込んで、夕方から集る職人仕事師|輩を凹ますのを面白がって、至極の鉄拐、
殊の外稲荷が贔屓であったので、若先生の髪も紋床が承る。 (どうです豪傑、蝦蟇の膏....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
書き散らして楽みしが、ただみづから画くのみならで、絵巻物(註、錦絵の事なり)など
殊の外よろこびて常に玩べりとか。 画の外余の尤も好みしは昔物語りにて、夜に入れ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ある者、皆此の村に行きて宿する故に人甚だ之を賤しむ、今も其村穢多に非ずして、人の
殊の外嫌ひ賤む村あるは、皆此宿村・産所村の末也。 と説明している。いわゆる産小....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
も、その効果は長く続かなかったのだ。 かくて兼好法師の頃には、「年を送りて過差
殊の外になりて、万の重きものを多くつけて、左右の袖を人に持たせて、自らは鉾をだに....