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残
「残〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
、都会人らしい紳士である。少年の顔に往来する失望や当惑に満ちた表情。紳士は少年を
残したまま、さっさと向うへ行ってしまう。少年は遠い雷門《かみなりもん》を後ろにぼ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
う》の取りなしを機会《しお》にして、左近の同道を承諾した。まだ前髪《まえがみ》の
残っている、女のような非力《ひりき》の求馬は、左近をも一行に加えたい気色《けしき....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
復讐の事の成った今になって見れば、彼等に与う可きものは、ただ憫笑《びんしょう》が
残っているだけである。それを世間は、殺しても猶飽き足らないように、思っているらし....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
雄に会わないのです。
主筆 じゃ小説はそれぎりですね。
保吉 いや、もう少し
残っているのです。妙子は漢口《ハンカオ》へ行った後《のち》も、時々達雄を思い出す....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ていました。 「折角御嬢さんの在りかをつきとめながら、とり戻すことが出来ないのは
残念だな。一そ警察へ訴えようか? いや、いや、支那の警察が手ぬるいことは、香港で....
「狂女」より 著者:秋田滋
「いいかね、明日になっても、もし寝床から降りんようじゃったら――」 そう云い
残して、彼はその部屋をでて行った。 その翌日、老女は、途方に暮れながらも、どう....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
想像されるあらゆる苦痛より遥かに苦しい気がした。 最後に私の手には一通の手紙が
残った。それは私の書いたもので、私が五十年前に習字の先生の言葉を書き取ったものだ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れを此方へ御預かり申さんとは存ぜしが、金銭の事ゆえ思召す所を憚かりて黙止たりしが
残念の事を仕りたり」と言うに、いよいよ面目なくますます心は愚にかえりて我身も頼も....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
まで忠実に働いたからというので、これは免除してもらった。 リボーの店は今日でも
残っているが、行って見ると、入口の札に「ファラデーがおった」と書いてある。その入....
「寡婦」より 著者:秋田滋
、何がどうということもなしに、相手の胸は乱れるのでした。 ここにこういう形見を
残していった人の祖父さんにあたる人は、恋愛、決闘、誘拐などと数々の浮名をながした....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
少々述べなければなるまい。彼のまたがった馬はよぼよぼの犂き馬で、年をとりすぎて、
残っているものといったら、意地の悪い性質ぐらいしかなかった。やせて、毛なみはばさ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
た。そこで夫婦は農家や旅籠屋で日雇取りをして、一番賤しい仕事をあてがわれ、他人の
残りものを食べて露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに悩みながら冷たい板の間で旅寐の....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、生活し、死んでゆく。それらのものは、道のうえに踏み潰された蟻を、その足跡として
残して行くだけだ。小屋に住む黒人たちの国に行ってみよ。風に揺らめく褐色の天幕の下....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
こそ予約されていたのである。 噫々今にして花火線香の玉を消したことは返す返すも
残念でならない。も五年でも、十年でもいい、もっともっと火華を散し、火華を咲かせた....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
れて、城下の方へつれて行かれました。そして、その代りに莫大な金が太郎右衛門夫婦に
残されました。 「何んてお目出たい話だ。お前のとこの朝太郎が殿様になるんじゃない....