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残り
「残り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ど半分ばかり書き直したものは今月のある雑誌に載せられている。来月はまた同じ雑誌に
残りの半分を書かなければならぬ。今月ももう七日《なぬか》とすると、来月号の締切り....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
それから後《のち》の事は、先生の御察しにまかせるほかはございません。私は独り生き
残りました。ほとんど町中を焼きつくした火と煙とに追われながら、小山のように路を塞....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
のです。しかもたった三年の間にあれだけの嵩《かさ》になるのですからね。古来の売れ
残りを集めたとしたら、太平洋も野菜に埋《うず》まるくらいですよ。しかしサッサンラ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いずれにしても、殿は仇《かたき》の一味じゃ。」
頭立った一人がこう申しますと、
残りの盗人どもも覆面の下で、
「そうじゃ。仇の一味じゃ。」と、声々に罵り交しまし....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
けさ》の勘定は四文《しもん》釣銭が足らなかった。おれはこれから引き返して、釣銭の
残りを取って来るわ。」と云った。喜三郎はもどかしそうに、「高《たか》が四文のはし....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
× ×
小説家 もう五六枚でおしまいです。次手《ついで》に
残りも読んで見ましょう。
編輯者 いや、もうその先は沢山です。ちょいとその原稿を....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
》だって沢山ですよ。婆やと私と二人ぎりですもの。」
お蓮は意地のきたない犬へ、
残り物を当てがうのに忙《いそが》しかった。
「そうなったら、おれも一しょにいるさ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
」
「うん、こっちにまだ半分ある。」
譚《たん》は殆《ほとん》ど左利きのように
残りの一片を投げてよこした。僕は小皿や箸《はし》の間からその一片を拾い上げた。け....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
母の方へこう大声に云った。それから看護婦を見返りながら、
「じゃ十時頃にも一度、
残りを注射して上げて下さい。」と云った。
看護婦は口の内で返事をしたぎり、何か....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
「いえ、あなた様さえ一度お見舞い下されば、あとはもうどうなりましても、さらさら心
残りはございません。その上はただ清水寺《きよみずでら》の観世音菩薩《かんぜおんぼ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
貌の若者が勧《すす》める通り、琅※と珊瑚と取り換えた上、礼には黒馬を貰った事まで
残りなく白状してしまった。その話を聞いている内に、刻々素戔嗚の心の中《うち》には....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》り。……さても三人《みたり》一つ島に流されけるに、……などや御身《おんみ》一人
残り止まり給うらんと、……都には草のゆかりも枯れはてて、……当時は奈良の伯母御前....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
るごとし。呉牛の喘ぎ苦しく胡馬の嘶きを願えども甲斐なし。夜はなおさら昼のホテリの
残りて堪えがたければ迚も寝られぬ事ならば、今宵は月も明らかなり、夜もすがら涼み歩....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
記憶は著しく悪るくなり、他の感覚もまた鈍ってが見えると言ったら、その時ばかりは、
残りの雨の降りかかるのもかまわず、窓から顔をさし出して、嬉しそうに虹を眺めながら....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
た。そこで夫婦は農家や旅籠屋で日雇取りをして、一番賤しい仕事をあてがわれ、他人の
残りものを食べて露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに悩みながら冷たい板の間で旅寐の....