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残兵
「残兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「陣中日誌(遺稿)」より 著者:山中貞雄
しづめの兵隊 入口の扉の処に将校来る。 「一言注意して置く、此の辺り一帯は尚敗
残兵が徘徊している。昨夜も此処から三ッ目の駅が襲撃を受けて数名の戦傷者を出して居....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ん十円。 高村悟君と、読売の元の講演部長小西民治氏とに行き会った。御両所とも敗
残兵の如しだが、自分もまた御両所以上にひどい姿である。日本の現状をまざまざと二人....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
今川勢は丸根に対した如く、火を放って攻めたので、信平を始め防戦の甲斐なく討死して
残兵|悉く清須を指して落ちざるを得ない状態になった。時に午前十時頃。 鳴海の方....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
槍を馬上に揮ったのはこの時である。 さて朝鮮の武将史儒はこの役に死し、祖承訓は
残兵を連れて遼陽に還ったが、明の朝廷へは、我軍大いに力戦して居た際に、朝鮮兵の一....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
国主義に尻押しをされて、絶えまなく小競合を繰りかえす軍閥の苛斂誅求と、土匪や、敗
残兵の掠奪に、いくら耕しても、いくら家畜をみずかっても、自分の所得となるものは、....
「夜の靴」より 著者:横光利一
へその兵士の故郷の知人らしい老人が乗って来た。顔が合うと、美男の兵の方が、 「敗
残兵が帰って来たア。」 と、いきなり云って笑った。老人は、「わッはッはッ。」と....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のロボーと他端のレイユとはともにその波のうちに押し流された。ナポレオンは近衛兵の
残兵をもって城壁としようとしたが無効であった。彼はいたずらに手もとの騎兵数個中隊....
「中庸」より 著者:坂口安吾
ナイフで斬りつけたのよ。私だってナイロンの靴下がはきたいけど、ほら、この靴下。敗
残兵の靴下よりも貧弱だわね」 「さほどにも見えない。この村では華美の方だね。スカ....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
敵方に一万二千の援軍が馳せつけた。それからは我が軍の不利であった。夕頃、余は
残兵をまとめて善光寺に退いて集合した。敵も兵力をまとめて海津城に入る。戦は朝五時....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
あるによって明日に希望を託し得。いつもギリギリの戦場、最後の線に立てられてさ。敗
残兵の自覚がもてないところが哀れでもあり、ミソでもあるというわけらしいな」 青....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
の沈思黙考のあげく実に突如として愛の告白に及んだことです。洞穴に追いつめられた敗
残兵が突如として総攻撃に転じたような悲痛の様が思いやられますが、行われた現象とし....
「雪の宿り」より 著者:神西清
王様だとわたくしが見てとりましたとき、こちらを向いてにっこりお笑いになりました。
残兵どもは一たん引きました。その隙に「姫は」とお尋ねになります。「お落し申しまし....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
ンがじりじりと近づいて来る。森林帯のあえぎが終われば、まばら木立ちに立ち迷う霧の
残兵を追って、深い熊笹の波を乗り越え、待望久しかった尾根に出る。脚下の松川は陥没....
「三国志」より 著者:吉川英治
。また、今夜近くの河畔にきて宿陣している県軍は、きっと先に四散した城長の家臣が、
残兵を集めて、黄巾賊へ報復を計っているに違いないということ。 だから、芙蓉の身....
「三国志」より 著者:吉川英治
そ大事です。ひとまず麓の※陽まで引退がった上となさい」 夏侯淵は、わずか二千の
残兵を擁して踏みとどまり、曹操に五百騎ほど守護の兵をつけて、 「早く、早く」と促....