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「残存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残存の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ひいた薄美濃紙を宛《あ》てがって絵巻物の断片を謄《す》き写しすることも出来たし、残存の兜《かぶと》の錣《しころ》を、比較を間違えず写生することも出来た。だが、自....
予報省告示」より 著者:海野十三
意を欠いていたので、第五氷河期の襲来は彼らにとって致命的打撃である。 尚、当時残存した約三千名の地球人類は行方不明となる。彼らの多くは、地底定住の努力半ばに於....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
はアラビアの酋長カリフ・オマール(Chalif Omar)がこの図書館のわずかに残存していた物を灰燼に委してしまった。もっともアラビア人らは、後に彼らの文化が洗....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
たすら、新人物の登場を待って居た。 そこへ現れたのが、楠正行である。彼は近畿に残存する楠党を糾合し、亡父の遺訓に基いてその活動を開始したのである。 元来楠党....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
代史も尚だ到着したばかりの十四冊物百数十部即ち凡そ二千冊が大抵灰燼となって、僅に残存した数十冊が表帋は破れ周囲は焦げて惨澹たる猛火の名残を留めていた。 眇たる....
大脳手術」より 著者:海野十三
。この十年間に外科手術は大発達を遂げた。そしてその第一は、今までのような醜い痕跡残存が完全に跡を絶ったことだ。だから顔面整形手術の如きものが、どんどん行われるよ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
一断片である。生前の行為と、その行為に伴う結果とは、肉体の死後に於ても依然として残存する。故意に犯せる罪悪の流れは、どこまで行っても、因果の筋道を辿りて消ゆるこ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
火は常に安定の状態にあるように、巧に造られたものがあったが、現に熊本県下にはまだ残存している。また当時の質屋などでは必らず金網のボンボリを用いた。これはよそから....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
りで指の上に書いたと見え、指の痕が白く抜けてるのもある。古今詩人文人の藁本の今に残存するものは数多くあるが、これほど文人の悲痛なる芸術的の悩みを味わわせるものは....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
そう聞けばどうやら理窟だけは解った。が、いぜんとして分らないのは、やはりそれらの残存面積を除いて田畑そのものが成立せず、ちょっとした雨降りにさえ耕土が押し流され....
「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
。これを我が古史に徴するに、西南薩隅の地に夷人と呼ばれた隼人が奈良朝頃までもなお残存し、東北奥羽の地方には平安朝に至ってなお蝦夷が猖獗を極めたところのもの、いず....
国栖の名義」より 著者:喜田貞吉
いう地は、玖珠(豊後郡名)、久豆(伊勢地名)などと同じく、いかにもかつて先住民の残存しそうな場所に多い。それから思うと、本居翁が疑われた万葉十の歌の、『国栖等の....
間人考」より 著者:喜田貞吉
転なるマウト(モオト)の名称が、或る低級なる農民の称呼として徳川時代までも各地に残存していたことは、また看過すべからざる興味深い事実である。 自分はかつて民族....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
、半分は、自然消滅に帰するものと考えられますが、その中、幾何良書として後世にまで残存するであろうか。印刷術と製本術とが、機械でされるようになって以来、生産の簡易....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
地方はもと夷の地であって、特に出羽でも仙北三郡の地方は、比較的後まで夷俘や俘囚の残存した場所であったから、かの「大宝令」の規定に見ゆるがごとく、人居は常に城堡内....