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残影
「残影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残影の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
と点けていた懐中電灯を消した。俄かに闇がドッと学士の全身を包んだ。 ほの明るい
残影が眼底から消えていって、彼はようやく闇に慣れた。そこで彼は、改めて暗黒そのも....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
」 と手を取らんばかり。 丹波はお蓮様に従って、長い渡り廊下を道場のほうへ。
残影で西の空は赤い。庭にも、もう暮色が流れて、葉末をゆるがせて渡る夕風《ゆうかぜ....
「空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
第一は 〔Ra:ume〕。何となれば空間の複数は空間を物体性として説明することの
残影であるか、それでなければ物理的空間に於ける所産であるかであるが、何れもそれが....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
はずはないと言うかも知れない。しかしわたくしの見る処では、これは前の時代の風習の
残影に過ぎない。人の家の床《とこ》の間《ま》に画幅《がふく》の掛けられているのを....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しまい、新田、脇屋の諸党も四分五裂、とくに宗良親王の軍は、碓氷の彼方へ、遠くその
残影を再びひそめてしまった。 この宮こそは、好まぬお手の弓だった。いつか四十二....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
から寄せられた遺蹟や伝説の多いには、驚いている。日本の地方とは、まったく、歴史の
残影断片の無尽蔵といってよい。 むざんやな甲の下のきりぎりす 芭蕉の句だが、平....
「山の人生」より 著者:柳田国男
、こんな生活に入った者が多かったらしいのである。 そうすると我々が三輪式神話の
残影と見ている竜婚・蛇婚の国々の話の中にも、存外に起原の近世なるものがないとは言....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
の動詞も追々に不用に帰し、単にコキオロスとかシゴキとかいう複合形の語だけに、その
残影を留むるまでになったが、それでも方言の間には少しずつ用いられている。農業の方....