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「残忍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残忍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の点ではこの若者たちも闘鶏《とうけい》や闘犬《とうけん》の見物《けんぶつ》同様、残忍でもあれば冷酷でもあった。彼等はもう猪首の若者に特別な好意を持たなかった。そ....
或る女」より 著者:有島武郎
》残らずその美しい四《よ》つ手網《であみ》にからめ取った。葉子の心は知らず知らず残忍になっていた。ただあの妖力《ようりょく》ある女郎蜘蛛《じょろうぐも》のように....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
は一般に八田巡査を仁なりと称せり。ああはたして仁なりや、しかも一人の渠《かれ》が残忍|苛酷《かこく》にして、恕《じょ》すべき老車夫を懲罰し、憐《あわれ》むべき母....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の図書館を建設し充実した。新興の機運は正に熟していて、同時に既に始まっていた彼の残忍な宗教裁判を先頭に立てた反動運動も、これを妨げることはできなかった。コペルニ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
がれであった世界の統一、永遠の平和を達成するには、なるべく戦争などという乱暴な、残忍なことをしないで、刃に※らずして、そういう時代の招来されることを熱望するので....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
うすると尋問し出す。これが最もさし迫った任務である。しかし、それもまた、僕には、残忍なほど明確な決心があった。 それがために、しかしわが家ながら、他家のごとく....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
に身を退いて、例の三角形の切抜きのある地上を見つめたではありませんか。私は一寸|残忍性を帯びた微笑をせずには居られませんでした。細田氏は四辺をキョロキョロと見廻....
海底大陸」より 著者:海野十三
よれば、海底超人族は、人類よりもはるかに恐るべき科学力をもっていたし、また、その残忍性においても警戒する必要のある生物だと考えていたのである。 博士は、ロロー....
少年探偵長」より 著者:海野十三
異様なその風態は、牛丸平太郎からなんども聞かされていた。鬼にもひとしい四馬頭目の残忍ぶりは、戸倉老人や牛丸平太郎から、耳にたこができるほど聞いていた。 その四....
火星兵団」より 著者:海野十三
か。火星人は、みな悪者の生まれかわりであろうか。これから後、だんだんと、火星人の残忍な行いが、読者諸君の前にあらわれて来るであろうが、火星人こそ、人間の考えでは....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
恐ろしい悪夢に絶えずおそわれ、昼夜を分かたずその悪夢の毒気を吸いながら、かの狂暴残忍なローマの先人たちよりも更に物凄い死を遂げた。 ラザルスは又、ある青年と彼....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
叫びたまいしと、わが覚ゆる声の、猫をば見たまいて驚きたまいしならば可し。さなくて残忍なる養子のために憂目見たまいしならばいかにせむ。それか、あらぬかとのみ思い悩....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
が、幽界に充満する訳なのである。しかもそれ等の霊魂は、死の瞬間に於て忿怒に充ち、残忍性に充ち、まるで悪鬼夜叉の状態に置かれて居る。そんなのが、死後の世界から人間....
狂人日記」より 著者:秋田滋
ろう。まん円で、深く、澄んでいて、私はぞッとした。私は今日が今日まで、この時ほど残忍な感動を経験したことは一度だってない。が、それはまったく短い間だった。子供は....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
べき大獲物に接し得ないことと、前述の意味に出発点を置くところから狩るというような残忍な語を使用したくないので云う言葉である。茸訪問については屡々私は一人の案内者....