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残映
「残映〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残映の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
《かいふくき》の悦《よろこ》びに和らぐ眸《ひとみ》をどうしても向うに見える樹木の
残映にふりむけたくなるのだ……。 今、あたりは奇妙に物静かだった。いつも近所合....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
世の栄華を擅《ほしいまま》にして、公方《くぼう》の外戚らしく権威を張り、松浦屋の
残映たる、自分の舞台を、幕を張り廻《めぐ》らした、特別な桟敷から見下ろそうとする....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ら複雑な人になっているが、内心にはいつも過去の日本橋ッ子としての気魄《きはく》が
残映して、微妙にその感情を操作しているように見える。 とにかく、この『旧聞日本....
「小さな旅」より 著者:富田木歩
お稽古にでも行ってしまったのであろう。何となくもの淋しさを覚える。対岸には夕焼の
残映が漂っている。聲風兄の家は彼の辺かと首を伸ばして見やったけれど解らなかった。....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
てよかった――は、拡大する一方である。この、戦争のような地上に引きかえて、空は、
残映から夜へ移ろうとして、濃紺と茜《あかね》との不可思議な染め分けだ。ゆうやけは....
「みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
さめた。驚いて陽を見るともう西の山の端に沈んでいる。日が暮れるのに間もあるまい。
残映が、山の上を帯のように長い雲をぼんやりと紅く染めている。 ――五時と言われ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ったのである。この関係こそ、上代文化の地盤をなしたところの、上代社会関係の象徴的
残映であったのである。今とかけはなれた古典の世界を理解しようとするに当って、専ら....