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残物
「残物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残物の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
突いた叔父が酔後《すいご》の欠《あくび》を続けざまに二つした。叔母が下女を呼んで
残物《ざんぶつ》を勝手へ運ばした。先刻《さっき》から重苦しい空気の影響を少しずつ....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
実質的に守られてはいなかった。八十日の間味噌汁はいつも、昨日の昼或は夜のあらゆる
残物をぶち込んで煮なおしたものであった。それだから一椀の汁の中から、葱のこわい端....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
へ積めと手伝いにゆく者たちはいっていた。 その時の火事は大きかった。江戸時代の
残物で、日本橋区内のコブであった汚《きた》ない町が一掃されたが、哀れな焼け出され....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
九で自己を建設のために遠く出て来た人、私は時代の激しい潮流に押流された江戸人の、
残物の、アブクのようなものをうけて生れて来て、文学をよく知らずに、文学でお金をも....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
が新しいパリーのうちに残ってる古いパリーの名前である。民衆の記憶はそれらの過去の
残物の上に漂っている。
それにプティー・ピクプュスは、単に輪郭ばかりでほとんど....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
生活様式ほど胸の悪くなるものはあり得ない。彼らは決して手を洗わず、また魚の腐った
残物や子供の糞便を決して掃除しない。パラスは云う、この記述から推せば、彼らの小屋....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
騎士
人はその場合に獲られる最上の物を取るのです。
わたしなんぞはあの
残物でも貰うことにします。
学者
わたしにもはっきり見えているが、正直を....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
のを薄く切り白ソースかあるいはトマトソースをかけて食すればボイルドタンなり。その
残物は翌日フライにしてもよし、フエタスにするもよし、崩してメンチトースあるいはコ....