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「残肴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残肴の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の枯葉」より 著者:太宰治
)いかに我等国民学校教員が常に赤貧洗うが如しと雖も、だ、あに必ずしも有力者どもの残肴余滴にあずからんや、だ。ねえ、菊代さん、そうじゃありませんか。(腕をのばして....
涼味数題」より 著者:寺田寅彦
て食卓を見回し、だれかの食い残した皿が見つかると、そこへゆうゆうとすわり込んで、残肴をきれいに食ってしまって、そうして、ニコニコしながら帰って行くという人もある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
し》以上に信仰もされている。御奉納も豊かである。何を苦しんで深夜を選んで台所口へ残肴《ざんこう》を漁りに出かける必要があろう。 そこで今晩は、特に趣向を変えて....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
どは少し白い。そして、額は短いのである。 山や野に穴居して夜になると這いだして残肴や昆虫、蠕虫などを漁り、時には植物質のものを食うこともある。六、七月頃、子を....
赤い壺」より 著者:種田山頭火
詰らない、死ぬるのも詰らないと思う人は再び官能の陶酔に帰って来る。そして野良猫が残肴を漁るように、爛れた神経の尖端で腐肉の中を吸いまわる。彼は闇にうごめく絶望の....
迷信解」より 著者:井上円了
げて曰く、『些少ながら、席料の代わりに謝金を包みて床の間の上に置けり。また、別に残肴を入れたる折二箱あり。請う、晩酌の助けとせよ』と。僕、大いにその厚意を謝す。....
残肴の処理」より 著者:北大路魯山人
星岡時代、残肴を見て感あり、料理人一同に留意を促すゆえんを述べたことがある。 料理を出し....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ど新しかった。 三人が通ったのは、往来に向いた二階の広座敷であったが、前の客の残肴やら鼻紙などが、まだ掃きもせず散らかっている。 下働きの女たちは、まるで女....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
なった。 「もう飲まないのか」 「ああ、目にもたくさんになった」 「飲みちらした残肴というやつは、まったく嫌なものだ。見ていると浅ましくなる、早く片づけてしまお....