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残虐
「残虐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残虐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女」より 著者:芥川竜之介
れ自身のように、いつまでも死んだ蜂の上に底気味悪くのしかかっていた。
こう云う
残虐《ざんぎゃく》を極めた悲劇は、何度となくその後繰返された。が、紅い庚申薔薇の....
「或る女」より 著者:有島武郎
きって、落ち付き払った中年の婦人が、心の底の動揺に刺激されてたくらみ出すと見える
残虐な譎計《わるだくみ》は、年若い二人の急所をそろそろとうかがいよって、腸も通れ....
「或る女」より 著者:有島武郎
い分ける不思議な心の広さを持っていた。ある時には極端に涙もろく、ある時には極端に
残虐だった。まるで二人《ふたり》の人が一つの肉体に宿っているかと自分ながら疑うよ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
しい執拗《しつこ》い言葉でも聞いたら少しの道楽気《どうらくげ》もなく、どれほどな
残虐な事でもやり兼ねないのを知ると、彼れは少し自分の心を恐れねばならなかった。彼....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
かった。お前達が少し執念《しゅうね》く泣いたりいがんだりする声を聞くと、私は何か
残虐な事をしないではいられなかった。原稿紙にでも向っていた時に、お前たちの母上が....
「星座」より 著者:有島武郎
体な欲念との間に、ほとんど憎しみともいえそうな根深い執着を感じはじめていた。ある
残虐《ざんぎゃく》な心さえ萌《きざ》していた。けれどもおぬいさんと面と向って、そ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
まく行った事を喜びました。医科の助教授連が学用モルモットを殺すときの気もちに似た
残虐的快感に燃え立ったのでした。細田氏が十分間|経っても姿を現わさないのは恐らく....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
、悪魔は十年の間、血に飢えていたせいか、その呪いの被害もこれまでに見られないほど
残虐を極めたものでした。いわゆる「赤耀館事件」なる有難くない醜名を世間に曝すこと....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
の身柄は身内の外に隠した。しかし仙太がいずれその内に喋るのを恐れたカンカン寅は、
残虐にも仙太に報酬をやるといって呼び出した。 仙太は何も知らず、云いつけ通り海....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
鋭い刃物で抉ったような咽喉部の深い傷口――うん、やっぱりさっき口笛が聞えたとき、
残虐きわまりなき吸血鬼が出たのだ。帽子は飛んでしまっているが、グッと剥きだした白....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
入れ、それより ふたつのメダルを 汝らわが命令に ば金庫は自ら汝 戦闘準備
残虐な悪魔の頭目、四馬剣尺のために、両脚に大火傷をした戸倉八十丸老人は、あれから....
「火薬船」より 著者:海野十三
にたいして、このひどい仕打は、船長ノルマン――いやノルスキーの脈管にながれている
残虐性のあらわれであるとおもえた。 友情 船長ノルマンは、ハルクが、気を....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ような拷掠に、よくもこの手が、鉄にも鉛にもなりませんでした。ああ、全く魔のごとき
残虐にも、美しいものは滅びません。私は慚愧します。しかし、貴下と縫子とで、どんな....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
仏様のうしろで、一切食や、うまし、二切食や、うまし…… 紀州の毬唄で、隠微な
残虐の暗示がある。むかし、熊野|詣の山道に行暮れて、古寺に宿を借りた、若い娘が燈....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ちにこの書きものを見せたら、世の中には、自分はそれと気付かないでいて、しかもこの
残虐な狂人と同じように、巧に恐ろしいことをやる狂人が沢山あると言った。....