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残部
「残部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残部の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
彼は大体の仕事の手筈《てはず》を定めるまでに成った。秋から取り掛っている旅行記の
残部をも完成した上で、その他気に掛る仕事を片付けてしまった上で、それから書きにく....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
旅団の全部と、第一旅団の一部を本軍として、正面から攻撃することになり、第一旅団の
残部は二俣を目指すことになった。本軍の先鋒青木大尉は、率先して進み、第一塁を陥れ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
期法案を議定し、十二月二十九日に法律第九十四号としてこれを公布された。 民法の
残部即ち親族編、相続編は、明治二十八年九月十四日より六十九回の会議を重ねて議了し....
「戦場」より 著者:夢野久作
処に在る白樺の林の中に到着した。 その林というのは砲火に焼き埋められた大森林の
残部で、そこにはヴェルダン要塞を攻囲している我が西部戦線、某軍団所属の衛生隊がキ....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
とである。すなわち、上述の重合部が前句のほとんど全面積をおおっていて、切り捨てた
残部があまりに僅少《きんしょう》になるためである。さて以上の心理から起こるアタヴ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も清次自身、それは無理のないことだと諦《あきら》め、草津に至ると、さっぱり瓦版の
残部を琵琶湖の水に投じてしまい、さて売上高を勘定してみると、自分ながら予想外の利....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ねに幾分のゆとりが欲しい。十貫目の力のあるものならば、その八分九分だけを用いて、
残部は準備として貯えおき、これを資本として十二貫になったならば、その時に十貫出す....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
胆な者、最も強い者、最も巧妙な者、最も好運な者が最もよい分け前を得、他の者はその
残部を、すなわち僅少な物を得たか、またはほとんど全く何ものも得ていなかったのであ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
いることは、否定し得ないであろう。そしてその当然の結果として、銀価はヨオロッパの
残部より我国の方が多く低減しているのである。
『1) 通商世界に共通な価値低下....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
んでひきうけた、ふたりはサクラ号のキールをきって二つになしたるものや、前檣後檣の
残部などのもっとも重いものを、エイエイかけ声をして運んだ。それに負けじとドノバン....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
》だったことなぞも、平兵衛は頭《てん》から気に留めなかったが、庭の隅を掘って屍の
残部《のこり》を埋めるだけの用心は忘れなかった。 翌日の蒲鉾には初めて磯屋の持....