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「残飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

残飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
畜犬談」より 著者:太宰治
ってはならぬ。世の多くの飼い主は、みずから恐ろしき猛獣を養い、これに日々わずかの残飯《ざんぱん》を与えているという理由だけにて、まったくこの猛獣に心をゆるし、エ....
」より 著者:島木健作
げ、大声を出しながら体操を始めることがあった。その食欲は底知れぬほどで、同居人の残飯は一粒も残さず平らげ、秋から冬にかけては、しばしば暴力をもって同居人の食料を....
世相」より 著者:織田作之助
ンにもまたそれ相応の饗宴がある。ガード下の空地に茣蓙を敷き、ゴミ箱から漁って来た残飯を肴に泡盛や焼酎を飲んでさわぐのだが、たまたま懐の景気が良い時には、彼等は二....
豚群」より 著者:黒島伝治
として、今度の計画はうまく行くかな、やりしくじると困るんだ。…… そこへ親爺が残飯桶を荷って登って来た。 「宇平ドンにゃ、今、宇一がそこの小屋へ来とるが、よそ....
渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
した。「……アナタア! 頂だい、頂だい!」 「あるよ。持って行け。」 松木は、残飯桶《ざんぱんおけ》のふちを操《と》って、それを入口の方へころばし出した。 ....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
冬の茎を、醤油と鰹節とで煮しめて、菜にする、苦味のない款冬である、それから昨夕の残飯に、味噌をブチ込んで「おじや」を拵えて啜る、昼飯の結飯は、焚火にあてて山牛蒡....
白痴」より 著者:坂口安吾
違いであることに気付いたので、この隣人は時々垣根から侵入してきて仕立屋の豚小屋で残飯のバケツをぶちまけついでに家鴨に石をぶつけ、全然何食わぬ顔をして鶏に餌をやり....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
人を殺すに手間ヒマいらぬ、雨の十日もふればよい、というのは全く当時の実状である。残飯が上等百二十匁一銭、お焦百七十匁一銭、残菜一人一度分一厘、残汁同上二厘、だい....
独房」より 著者:小林多喜二
が這入ってきたことがあった。エンコに出ていて、飲食店の裏口を廻って歩いて、ズケ(残飯)にありついている可哀相なお爺さんだった。五年刑務所にいて、やっとこの正月出....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
利だろう、何か適法を設け、各処の小屋の修理や食器等の備え付をしたいものだ。此処で残飯を平らげ、鞋の緒をしめ、落合の小屋「信濃、二ノ俣の小屋、嘉門次」「信濃、槍※....
残肴の処理」より 著者:北大路魯山人
させてしまうのはもったいないかぎりである。甘だいの骨一つにしても、犬にやるとか、残飯を干飯にするとか、方法はいくらもあろう。 料理人はせっかく手がけたものが充....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
から靴を下げているではないか.俺は靴だって宝壇にかけておくんだぜ.おまえなんぞ,残飯は台所から出してくるが,俺は宝壇から出してくるんだぞ.俺だって,やればもっと....
女の怪異」より 著者:田中貢太郎
るとすぐ相談が出来た。政雄は心のどこかにくつろぎができると共に、家へ帰って冷たい残飯で夕飯を喫うのが厭になったので、カフェーに入って夕飯を喫い、八時比になって良....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ていったが、間もなくバケツに麦半分の冷飯をぎっしり詰めて帰ってきた。三銭で軍隊の残飯を買ってきたのだという。私たちはこれに塩をかけて食った。バケツ一杯が一日分の....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
中(もちろん私は参加していない)が消灯後海岸に散歩に出かけ遅く帰って廊下にあった残飯を食べていた。ところが突如音がして光り物が本堂に入って来た。さすがの豪傑連中....