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残骸
「残骸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
残骸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
家は、最初滝人が背負ってきた、籠の中の生物のために打ち挫《ひし》がれ、続いてその
残骸を、最後の一滴までも弾左谿が呑《の》み尽してしまったのである。 さて、騎西....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
たちの建て上げたものは、愛がそれを破壊し終る力を持たない故に、いつまでもその醜い
残骸をとどめて、それを打ち壊す愛のあらわれる時に及ぶ。 愛の純粋なる表現を更に....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
のだ。強靱な、ピラミッド型の根が幹を支えているうちに、幹は枯れ、地上に落ちたその
残骸は、まるで谿いっぱいにもつれた蜘蛛糸をみるようであった。やがてその枯色も、鎖....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
めのような、破船が一つ横たわっている。ジョン・フランクリン卿の探検船「恐怖」号の
残骸が、朽ちくさった果ての肋骨のような姿をみせ、百年ばかりのあいだ海鳥の巣になっ....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
ないことは事実が否応なしに教えた筈です。物と雖もやがて同様です。結局それは過去の
残骸です。否そればかりでなく、過去の記憶にすら捉われてはならない時です。一切を棄....
「海」より 著者:梶井基次郎
ては波に持ってゆかれた恐ろしい努力を語るものだった。 暗礁に乗りあげた駆逐艦の
残骸は、山へあがって見ると干潮時の遠い沖合に姿を現わしていることがあった。....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
かは知らないが満文蒙文或るは瓜哇文の散紙狼藉たる中を、タイプライターの赤く焼けた
残骸二ツ三ツが無残に転がってるを横に見つゝ新築家屋の事務所へ戻ると、人声が四壁に....
「氷河期の怪人」より 著者:海野十三
きいたことがないなあ」 怪人は首をかしげた。石斧をもったまま、手をヤヨイ号の
残骸の方へのばし、 「あれは一体なんだ。大きな音をたてて、空から落ちたが、お前た....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
ったのではあるまいか。川上はそう思って身ぶるいした。 「君たちの乗ってきた乗物の
残骸は、こっちの方角にあります。あの道を行って丘を二つほど越したところです。だい....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
なってしまった。 飛行島は、ついに戦の前に爆破してしまったのである。そしてその
残骸は、がくりと傾き、艦列からはるか後方におくれて、いたずらに波浪の洗うにまかせ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ましい落雷のあとを見せ、太く延ばしたらしい枝も、大方はもぎ去られて見るかげもない
残骸を、いたましくさらしている。しかも、その一本の枯れた木に、四辺の景色が、他の....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
川越に転封され、そのまま幕末に遭遇した、流転の間に落ちこぼれた一藩の人々の遺骨、
残骸が、草に倒れているのである。 心ばかりの手向をしよう。 不了簡な、凡杯も....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
刻を施した大理石の噴水の跡がある。それも今はめちゃくちゃにこわれてしまって、その
残骸はほとんど原形をとどめぬほどになっているが、その水だけは今も相変わらず噴き出....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
が減ったので、とうとうほんの僅かの間でやめてしまいました。その後このオムニバスの
残骸は、暫く本所の緑町に横わっていたのですが、その後どうなりましたかさっぱり分ら....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
もりです。それで市長は用意の支度に家へ帰りました。 小田島は彼女に喰い尽された
残骸としてのドーヴィルを眼の前に感じた。彼女はもう西班牙へ発つのか。ドーヴィルに....