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殖える
「殖える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殖えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
、女のように優しい眉《まゆ》の間にちょっと不快らしい表情を示した。「そりゃ人手が
殖えることは難有《ありがた》いにも違いないがね。………お父さんにも一応話して見れ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
のではないのであるが、春に、秋に、現に目に見えて五、六羽ずつは親の連れて来る子の
殖えるのが分っているから、いつも同じほどの数なのは、何処へ行って、どうするのだろ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
上、氷の消費量増加については、 「何にしろもうこんな陽気ですから、氷だって段々|
殖える一方でさあ」と、軽く説明した。然し主任がその位の説明で満足する筈はなく、当....
「火星探険」より 著者:海野十三
おも疑いの色をゆるめず「おれたちは、こういうことを聞込んでいる。地球では、人口が
殖える一方資源が少くなって、大いに困っている。そのために永年にわたって火星への侵....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
繋留気球を揚げることになっています。今夜は一つだけでありますが、明日から若干数が
殖えることになっています。自分は、その最初の一つに乗りこみまして、深夜の帝都の上....
「雷」より 著者:海野十三
い爽々しい気分であって、二人は夢のように悦び合った。これならば、門をくぐる患者も
殖えることであろうと思われた。 「オイお里。……どう考えても、北鳴氏は親切すぎや....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
えた。 いくち、しめじ、合羽、坊主、熊茸、猪茸、虚無僧茸、のんべろ茸、生える、
殖える。蒸上り、抽出る。……地蔵が化けて月のむら雨に托鉢をめさるるごとく、影|朧....
「露肆」より 著者:泉鏡花
一 寒くなると、山の手大通りの露店に古着屋の数が
殖える。半纏、股引、腹掛、溝から引揚げたようなのを、ぐにゃぐにゃと捩ッつ、巻いつ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
最後の時の近づいたことを恐れながら、頸すじをまっ直にして歩いて行った。歯車は数の
殖えるのにつれ、だんだん急にまわりはじめた。同時に又右の松林はひっそりと枝をかわ....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
ずがない。お前達が改心せずにいれば、自分もまた食い尽されてしまう。仲間が殖えれば
殖えるほど本当の人間に依って滅亡されてしまう。猟師が、狼を狩り尽すように――虫ケ....
「故郷」より 著者:井上紅梅
焚いておあがりと吩付けた。 あとで母とわたしは彼の境遇について歎息した。子供は
殖えるし、飢饉年は続くし、税金は重なるし、土匪や兵隊が乱暴するし、官吏や地主がの....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
した。そんな馬鹿な話はないと、学者はてんで受けつけません。避雷針を立てて、落雷が
殖えるなんて、およそ有り得べからざることです。 ところが段々研究して行ってみる....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
い。殊に、僕の如き出不精なものは、それだけ変化にも驚き易いから、幾分か話すたねも
殖えるわけである。 住み心地のよくないところ 大体にいへば、今の東京はあまり....
「米」より 著者:犬田卯
な洪水でも来られると一家はますます悲境に沈むばかりであった。厄介な存在がまた一人
殖える――いまやそれが確定的だったのだ。健康な彼女は悪阻に悩むようなことはまず無....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
して今まで社に詰めていた。結局はマダ解らんが、電報が来る度毎に勝利の獲物が次第に
殖えるから愉快で堪らん。社では小使給仕までが有頂天だ。号外が最う刷れてるんだが、....