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「殖やす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

殖やすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わしてやったものをと、今さら力《りき》んでも後《あと》の祭りで、又もや怪談の種を殖やすに過ぎなかった。女に化け、天狗に化け、この上は何に化けるであろうと、気の弱....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
。その発明の要旨というのは、いいですか、人間の……人間のデス、人間の腕をもう一本殖やすことである。どうです、すごいでしょう」 「はあ、人間の腕をもう一本……」 ....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
格の「統制」をする。そうすれば、彼等は一方では労働者を犠牲にして剰余価値をグッと殖やすことが出来ると同時に、こゝでは価格が「保証」されるわけだから、二重に利潤を....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
に下へおりて行った。 ある時庸三が庭へ降りて、そろそろ青みがかって来た叡山苔を殖やすために、シャベルをもって砂を配合した土に、それを植えつけていると、葉子は黝....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ェスパシャヌスは公事に鉅万《きょまん》を費やすを惜しまなんだが、内帑《ないど》を殖やすに熱心してその馬の糞を売り、太子チッスの諫《いさ》めに逢って馬糞売って得た....
地獄の使者」より 著者:海野十三
なかったことを証言する人々があった。 要するにお末は、出来るだけ働いて、貯金を殖やすことが楽しみであったのだ。そういう女が殺人罪を犯すようなことは殆んど考えら....
結婚論の性格」より 著者:宮本百合子
、つくりあげられるものでないことは明らかである。 それにまた、このように産め、殖やすことの要求されている時代であるからこそ、その一面には、今日までの優生夫妻が....
偽りのない文化を」より 著者:宮本百合子
の文化の一面には、すくなくともこのような矛盾がある。資本主義の経済破局は売笑婦を殖やすという国際的な事実を土台として、その売笑婦の社会的な扱われかた、売笑婦自身....
流線間諜」より 著者:海野十三
彼は覚醒したことの幸運を感謝した。もうすこしで、彼自身でもって屍体を、もう一個|殖やすところだったのである。まあよかったと思ったものの、その後で、すぐ大きな不安....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りはすばらしい蕃殖力を持っていることだ。蕃殖力というのは、卵を産んで、その仲間を殖やす力だ。こいつがすばらしい蕃殖力を持っている上に、見る通り獰猛《どうもう》な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば 夫は独身の青年に 己《おの》が妻を貸し与え そうして報酬を取って 己が財産を殖やすことを するからである それを田山白雲が聞き咎《とが》めて、 「茂、何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
から食物を上げる、これは大切なことです。単に食物を上げるだけではいけない、それを殖やすこと……近年までは、この北の方の川、北上川だの、利根だの、最上《もがみ》だ....
凧の話」より 著者:淡島寒月
糸目にすれば下って来る。乳糸目というのは普通糸目の他に乳のように左右へ別に二本|殖やすのである。二本糸目というのは、うら張りの具合で、上下二本の糸目でも充分なの....
科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
からざることが有り得るかも知れないということになりました。早く云えば避雷針は雷を殖やすことあるべしということです。その解釈を申しますと、避雷針は雷を引き寄せるの....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
われると、まあ、こういう見当をつけたのであります。そこで、どういう手段でその人を殖やす方法を取るべきであるか……ということになるのですが、どうといって、弟子でも....