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殪
「殪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
を進めて、追えども追えども先んじがたく、ようよう力衰え、息｜逼《せま》りて、今や
殪《たお》れぬべく覚ゆるころ、高岡より一里を隔つる立野《たての》の駅に来たりぬ。....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
がまた新しく頬を伝った。夫人は急激な尿毒症に襲われ、僅か五時間の病《わずら》いで
殪《たお》れたのであった。 夫からの三日間、譲吉はお通夜《つや》の席に連った。....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
に対する怨みも憤りも、旅路の艱難に消磨せんとすることたびたびであった。が、非業に
殪《たお》れた父の無念を思い、中川家再興の重任を考えると、奮然と志を奮い起すので....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
、それから受けた激動のために発熱し、その発熱のために衰弱して、ついにはそのために
殪《たお》れるようなことがあれば、かの盗賊は形式はともかく、明らかに夫人を殺した....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
の砦に迫った。かねて覚悟の佐久間盛重以下の守兵は、猛烈に防ぎ戦った。正親、政忠｜
殪れ、光則まで傷ついたと云うから、その反撃のほどが察せられる。大将達がそんな風に....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
した。野津少将の軍が来り援けた為、形勢は逆転して、高瀬川の南で、薩将西郷小兵衛を
殪すに至った。 官軍二十七日の戦いに勝ったので、野津三好両少将は、斥候をして迫....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
の西郷とともに民間の勢力をもちたるがごとし。当地その同論者たる江藤氏は佐賀の乱に
殪れ、後藤氏は政界を去りて実業に当たり、副島氏は東京にありて高談雅話に閑日月を送....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
くれて待ちかけ給い、矢頃を計って切って放てばその矢誤たず胸にあたり、ついに叛将は
殪したものの矢疵ありありと鎧に残り、楯無しの威霊を損じたため、重代の宝器に矢の立....
「運命」より 著者:幸田露伴
ず。燕王と戦うに及びて、官軍時に或は勝つあるも、此令あるを以て、飛箭長槍、燕王を
殪すに至らず。然りと雖も、小人の過や刻薄、長者の過や寛厚、帝の過を観て帝の人とな....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でございました。 里人からそんなにまで慕ってもらいました私が、やがて病の為めに
殪れましたものでございますから、その為めに一｜層人気が出たとでも申しましょうか、....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
き付けると、頭が割れたか顔が砕けたか、敵は悲鳴をあげて倒れた。 目前の敵を一人
殪したので、市郎は少しく勇気を回復した。敵もこれに幾分の恐怖を作したか、其後は石....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
十二年の苦闘の後、ようやく出羽・仙北の俘囚長清原武則兄弟の援助によって、安倍氏を
殪すを得たのであったが、武則その功によって鎮守府将軍に任ぜられ、出羽より胆沢に移....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
身方を鼓舞して、敵の心をひるまする
怪しい物音が岩穴からした例もある。
敗者は
殪れて、謗は必ず下流に帰し、
勝者は栄華を受けて、助くる神を称う。
命令を須いず....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
恰も、台湾｜生蕃の、銃丸を惜むこと生命の如く、一丸空しく発せず、発せば必ず一人を
殪すに似たり。実に、思えば思う程、男らしき釣なり。 その代り、釣具其の他に対す....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
に相違ない。今でも部落の人々は、不衛生的な生活をなしているにかかわらず、伝染病に
殪れるものが比較的少いそうである。またその生産率に於いても、彼らは普通民より多か....