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「殴り合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

殴り合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
杏《おおいちょう》へ梯子《はしご》もかけずに登ることだった。或時は又彼等の一人と殴り合いの喧嘩《けんか》をすることだった。信輔は大溝を前にすると、もう膝頭《ひざ....
職工と微笑」より 著者:松永延造
群を見出した時、他の側に居た漁船も其れを見附けたので、両方の漁師は到頭舟を接して殴り合いを初めるに至ったのである。院長の子息は一緒になって、殴ったり殴られたりし....
党生活者」より 著者:小林多喜二
からである。 須山に会ってから一時間して、伊藤と会うと、慰問金のことでどうして殴り合いになったかと皆んなが興味をもってきくので、殴ぐり合のことを話しているうち....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んまちょう》の牢内で科人《とがにん》同士が喧嘩をはじめて、大きい声で呶鳴るやら、殴り合いをするやら大騒ぎ。牢屋の鍵番の役人二人が駈けつけて、牢の外から鎮まれ鎮ま....
愛と美について」より 著者:太宰治
怠、荒涼、やりきれない思いである。兄妹五人、一ことでも、ものを言い出せば、すぐに殴り合いでもはじまりそうな、険悪な気まずさに、閉口し切った。 母は、ひとり離れ....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
子供らは、家にいれば大人の喧嘩にまきこまれ、往来での遊戯といえば乱暴を働くことと殴り合いとであった。小さいゴーリキイは、心の疼くような嫌悪、恐怖、好奇心を湧き立....
白い壁」より 著者:本庄陸男
を追っかけはじめた。塗板の下に集まった一かたまりは、べい独楽《ごま》一つのために殴り合いをはじめ、塗板拭きがけしとばされると同時に、濛々《もうもう》たる白墨の粉....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
かった。猛烈に怒っていることは明かだった。罵り言葉が霰のように飛び、時々はきっと殴り合いになるに違いないと思うほどの呶鳴り声がした。けれどもその度に喧嘩は次第に....
女と帽子」より 著者:豊島与志雄
きながら、呆気にとられて、まだ喧嘩の気組みにならない先に、すっと引上げるんです。殴り合い取っ組み合いになったら、勝っても負けても、胸のすくように、すっきりとはい....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
めて、心配そうに彼らを眺めた。たがいに腹をたててるように思われたし、おしまいには殴り合いになりはすまいかと気遣《きづか》われた。しかし実際はそれとまったく反対で....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。二人ともなみはずれて気荒かった。すぐにひどい言葉を言い合いおどし合った。今にも殴り合いが始まるかと思われた。しかし憤怒の最中にも、押うべからざる尊敬の念が常に....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
た。あくる朝、私たちはかえりの自動車のなかで、黙っていた。一口でも、ものを言えば殴り合いになりそうな気まずさ。自動車が浅草の雑沓のなかにまぎれこみ、私たちもただ....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
離れて、顔を見せないようにして監視していたから、ケンカの原因は分らない。いきなり殴り合いが起っていた。殴り合いの一方はサクラだ。彼の目に見えたところだけでは、殴....
入営前後」より 著者:黒島伝治
、──兵卒を二人向いあって立たせ、お互いに両手で相手の頬を、丁度太鼓を叩くように殴り合いをさせること。 そのほか、いろ/\あった。 上官が見ている前でのみ真....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ても暮れても喧嘩の絶え間がない。その喧嘩を舞台へ持ち出して、滅茶苦茶の掴み合いや殴り合いをやる。それがいかにも真に迫っているというので、一部の観客に喜ばれた。立....