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「段丘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

段丘の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
石狩川」より 著者:本庄陸男
覚えのあるシラッカリの渓流であった。横ぎって南に出て、ぬっと胸を突きだしたような段丘を越えねばならぬのである。露の散る草やぶを踏みわけて、匐《は》うように斜面を....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
を走った。走ったというよりは、匐いながら駈けだしたのであった。頼む目標は、イルシ段丘のうえに点っている航空灯台が、只一つの目当てだった。その夜、イルシ段丘の灯火....
北支点描」より 著者:豊島与志雄
は現代人の心をも打つ魅力を持っている。遠くから見れば、森の中に築かれた白大理石の段丘であり、三段にめぐらされた白色の欄干のみが目につく。ここは昔、毎年冬至の未明....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
性をたたきなおすには、そこへ泊めてもらうに限る」 こんなわけで、私は魚市場から段丘を登ったところにある烏賊虎さんの二階に五日間泊めてもらった。私は、できるなら....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
などが露出しているが、シャスタを距ること、五十|哩位のところから、熔岩が、両岸に段丘を作っている。そして段丘の上に、小舎が建てられたり、馬鈴薯や唐黍が植えられた....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
ます。 またそういった回春現象は、ひとり河だけではなく、そこの河の両岸に、かの段丘地形となって現れて来ております。したがって、これもまた、大きくは二、三段に区....
私本太平記」より 著者:吉川英治
手から申せば、ひよどり越え、夢野の南。そこに四面どちらからでもよじ登れるような一段丘がございまする」 「む」 「ねがわくば、あすの正成の陣地には、ここを給わりと....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
子の印象にもと、もう日暮れだったが、車をとばして行ってみた。山波に囲まれた高原の段丘に、世界十四ヵ国のボーイスカウトの色とりどりな団旗、ことに日本の吹き流しの幟....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
上迄も及んだので最も苦しめられた。此処で左岸に徒渉すると、立派な道が雑木の茂った段丘の上に通じている。烟草の包紙やキャラメルの箱などそこらに落ち散っているのは、....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
は、思の外に打ち開けた処で、劒沢は南のはずれを一段深く穿貫しているから、恰も河成段丘のような観がある。水楊や樺や大杖などが茂りに茂って、ここは若々しい青葉の緑が....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
人が黒部川の上流に向って愛本温泉を出発したのは午前九時半であった。 道は左岸の段丘の上に通じて、暫くは喧しい瀬の音も耳にしなかった。宇奈月谷を過ると桃原である....