段梯子[語句情報] »
段梯子
「段梯子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
段梯子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
日本風の食事をした。食事は確か十時頃に終った。僕はその新聞記者を残したまま、狭い
段梯子《だんばしご》を下って行った。すると誰か後ろから「ああさん」と僕に声をかけ....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
踏込まれたとき、真蒼《まっさお》になって裏の廊下へ飛出したのであったが、その時|
段梯子《だんばしご》の上まで追っかけて来たお島の形相の凄《すご》さに、取殺されで....
「世相」より 著者:織田作之助
っぱ》に言って、赤い斑点の出来た私の手の甲をぎゅっと抓ると、チャラチャラと二階の
段梯子を上って行ったが、やがて、 「――ちょんの間の衣替え……」と歌うように言っ....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
座にいた。手を伸ばすと、寒そうに光っている廊下が触れる。その廊下を出ると幅の狭い
段梯子が、二階へつづいていた。 「ボワーン」 と小さい銅鑼をうったような音響が....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
ア此様な正直な家の中で、夫に日頃あの正直な老人を」と老女が答え来るを半分聞き直様
段梯子を四段ずつ一足に飛上る、余は肺の臓の破るゝと思うほど呼吸の世話しきにも構わ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
み合った恋愛生活の巣で、銀子たちはうっかりそこへ上がってはならず、伝票を渡すにも
段梯子の三四段目から顔だけ出すというふうであった。お八ツ時分になると、甘党の松島....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
その部屋に見るのが面羞ゆそうに、そっと寄って唇づけをすると、ぱっと離れた。足音が
段梯子にした。 「母はちっとも可笑しくないと言ってますのよ。」 高い窓をあけて....
「足迹」より 著者:徳田秋声
見た。 「ちょいとちょいと、面白いものを見せてあげよう。」剽軽な女中はバタバタと
段梯子から駈け降りて来ると、奥の明るみへ出て仕事をしているお庄を手招ぎした。 ....
「黴」より 著者:徳田秋声
が二月も以前にそこを出て、根岸の方に世帯を持っていた。笹村はがらんとしたその楼の
段梯子を踏むのが慵げであった。他の女が占めているその部屋へ入って、長火鉢の傍へ坐....
「爛」より 著者:徳田秋声
っと訪ねて見た。 そのころの女の、もうほとんど一人もいなくなったその家の、広い
段梯子をあがって行く浅井の心には、そこを唯一の遊び場所にした以前の自分の姿が、目....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
、南田辺のとある露地の奥、石の門柱と木の扉。そして踏石が三つ。格子戸の玄関。急な
段梯子。きいろくなった襖。庭に面した六畳。壁にぶらさがった洋服類。隅の方にミカン....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
した。しばしの後彼等はその穴は事実において非常に大きい穴で、地中の中心に達してる
段梯子に通じていて、彼等が訪ねようとした地下への入口であった事を了解した。あの小....
「段梯子の恐怖」より 著者:小酒井不木
し三十七歳の独身の弁護士である。 「その十四ページを見給え、編集当番のNさんが、
段梯子の恐怖ということを書いて居るから……」 「え?」と彼は雑誌をまるめ、びっく....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
う昔から名代の料理屋です」 かの女は、峠のように折れ曲り、上ったり下ったりする
段梯子を面白いと思った。案内された小座敷の欄干は水とすれすれだった。青み淀んだ水....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
しがらみ草紙』や『早稲田文学』や西鶴ものなどを乱読しているところに案内も何もなく
段梯子からニョキッと頭を出したのは居士であった。上に上って来るのを見ると袴を穿い....