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段歩
「段歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
段歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電報」より 著者:黒島伝治
作は考えこんだ。 源作は、十六歳で父親に死なれ、それ以後一本立ちで働きこみ、四
段歩ばかりの畠と、二千円ほどの金とを作り出していた。彼は、五十歳になっていた。若....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
失っているのだった。 「こんなにまでして稼いだら、郷里《くに》の方にいたって、一
段歩や二
段歩の土地なら、もらわなくたって、自分で買えたべがなあ。」 こう、男達....
「親子」より 著者:有島武郎
たのほうに差し上げることになってるのですが……それがここに認めてある百二十七町四
段歩なにがし……これだけの坪敷になるのだが、そのとおりですな」 と粗い皺のでき....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
女の家の山へは這入らせまいとした。 子供なりに僕は、自分の家に、一枚の山も、一
段歩の畠も持っていないのを、引け目に感じた。それをいまだに覚えている。その当時、....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
集に応じた移住農夫に、家屋、農具及び三カ年間の食料をあたえた。なおその上、開墾一
段歩につき金二両の労賃を支払った。自費による移住の農夫には、家屋、農具は勿論《も....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
今年は八十に手の届く老人で隠居をしている――官有地の払下げを請願して、成功した幾
段歩かの田畑を、着服してしまったというのである。折々、物議の種とならないこともな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まずあの時のあの人が行った『検地』というものでよくわかりますな。秀吉の時までは一
段歩は三百六十坪であり、一坪は六尺五寸平方であったのですが、それから一段三百坪に....
「土地」より 著者:豊島与志雄
にしておきゃあ、何の役にも立たねえ荒地だ。それをこうして拓《ひれ》えてみねえ、一
段歩に何俵という米が出来るじゃねえか。」 「それがおいらの地所だったらなあ!」 ....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
は稀で、学校の裏の墓地や雑司ヶ|谷の墓地の奥の囚人墓地という木立にかこまれた一|
段歩ほどの草原でねころんでいた。私がここにねころんでいるのはいつものことで、学校....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
ク各々私田を開墾し、肥タゴかついで勇敢にやっているという時節柄だが、彼だけは一|
段歩の私田も残さず、それというのが、彼はひところ何々会社取締役というようなことを....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
とがありました。このジイサンはお花畑の一部分をどうしても野菜畑にしないのです。二
段歩ぐらいでしたが、当時二段の畑と言えば、財宝ですよ。土地で大問題となっていたん....
「選挙漫談」より 著者:黒島伝治
らないことがある。 聴衆の中には、一坪の田畑も所有しない純小作人もある。が、五
段歩ほど田を持っている自作農もいる。又、一反歩ほど持っている者もいる。そこで「吾....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
には不思議に思われる程であった。十年間は無料、その後は永小作制度を約束された一|
段歩程の土地を小屋のまわりに持っているのだが、梅三爺一人の手では、屋敷として使う....
「おりき」より 著者:三好十郎
から言っている通りでなし。今更こんな山ん中へ入り込んで自分手であんなむずかしい二
段歩からの水田を作りつづけて行く人手は無え。喜十がどうしても甲府へ出るんならば、....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
郎の弟妹はまだ学校で、それが助けになるのは、まだ三年もあとのことであつた。一町五
段歩の田圃を、神経痛で半人前も働けない自分一人でやり了せる見込は、源治にはどうし....