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段段
「段段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
段段の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂言の神」より 著者:太宰治
これは、とひとりごとを言いながら、内心うれしく、微笑とめてもとまらなかった。石の
段段をのぼり、字義どおりに門をたたいて、出て来た女中に大声で私の名前を知らせてや....
「女の決闘」より 著者:太宰治
が出てしまって死ぬるのだ」と云うようである。 こんな事を考えている内に、女房は
段段に、しかも余程手間取って、落ち着いて来た。それと同時に草原を物狂わしく走って....
「未開な風景」より 著者:宮本百合子
エスカレータアで投げ上げられた群集は、大抵建物の拱廊から下を覗いた。八階から
段段段、資本主義商業の色さまざまな断面図。 ――まだここから飛び降りた奴あねえ....
「旅愁」より 著者:横光利一
架に対い合唱していた。陽の光りの射し込まぬ暗い堂内に鳴りこもったその合唱の力は、
段段と響きとどろく強烈な楽器のようだった。その轟きは入口にふと立った矢代の胸に異....
「青年」より 著者:森鴎外
かこの女を見て、旅行が不幸に終る前兆のように感じたのである。 急行の出る九時が
段段近づいて来ると共に、客がぽつぽつこの間に這入って来て、中には老人や子供の交っ....
「晩夏」より 著者:堀辰雄
ぐ面白いように人の家のなかへ踏み込んでしまう。ヴェランダ、鎧扉《よろいど》、木の
段段、――どれもきのう見た奴と殆ど変りはない。なんだかきのうと同じ処を歩いている....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
す。 ところで、カレンが右の方へ行こうとすると、くつは左の方へ踊り出しました。
段段をのぼって、げんかんへ上がろうとすると、くつはあべこべに
段段をおりて、下のほ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
れも星の世界までちょいととんでいくくふうはないかしら、すると、からだぐらいはこの
段段のうえにのこしていってもいい。」 ところで、この世の中には、おたがい口にだ....
「澪標」より 著者:外村繁
、いかにも雄大な風景が展開している。稲の切株だけが残っている。小区劃にくぎられた
段段田が、幾層にも重なり、所どころ、森や疎林に遮られてはいるが、自ら立体感のある....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
て注意したのか、なぜ、あのまま彼女を毎日寺の方へ来させて置かなかったのか。しかし
段段考えると、うちのものに見附けられるより私が発見したのはよかったのだ。私はどう....