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殺し場
「殺し場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殺し場の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
河竹|黙阿弥《もくあみ》翁《おう》が、浅草寺《せんそうじ》の鐘の音とともに、その
殺し場のシュチンムングを、最も力強く表わすために、しばしば、その世話物の中に用い....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
見では人の顔か花のように見えるものが、近寄って見ると、侍が切腹していたり、凄惨な
殺し場であったりして、つまり、腸綿《はらわた》の形を適当に作って、それに色彩を加....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
再び私のほうへ向き直っていわれるのです。 「成程、お爺さん。これだけむごたらしい
殺し場は、生きている人間の業とは、ちょっと思われないかも知れないね。しかし、これ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
いたのならば、何もこんな処で殺さなくたって、あの吹雪の闇を疾走中に、もっと適切な
殺し場がいくらもあった筈ではないですか。――いや、この事件は、いま貴下が考えてい....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
がびゅんびゅんうなって、すぐ前はモダンな公園……というところですが、昔あの辺は、
殺し場の書割《かきわり》めいた、ちょっとものすごいところで、むこう側《がわ》は、....
「山中常盤双紙」より 著者:寺田寅彦
を具えている。はじめは仇打ち事件の素因への道行であり、次に第一のクライマックスの
殺し場がある。その次に復讐への径路があって第二の頂点仇打ちの場になる。そうして結....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
と、そこはエルシノアの郊外。いよいよ女ホレイショが、オフェリヤを小川の中に導く、
殺し場になった。 そこは、乳色をした小川の流れが、書割一体を蛇のようにのたくっ....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
花形が集った。この時、源之助は一番目に妲妃のお百という大役をしている。この芝居の
殺し場は、女一人で男を殺すなど、役にも変化があり、最後まで悪人のはびこる芝居であ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
きれが濛々と立ちこめていた。 この晩初めて圓朝は「おみよ新助」の封切りをした。
殺し場でチョンと後の黒幕が落ちると、紫と白美しき花菖蒲が、そこかしこ八つ橋を挟ん....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
杭」はその名の示す通り、河岸に近い水の中に何本も立っていた乱杭である。昔の芝居は
殺し場などに多田の薬師の石切場と一しょに度々この人通りの少ない「百本杭」の河岸を....